Red Hat、リアルタイム技術で新たな展開(1/2 ページ)

Red Hat Enterprise Linux 5が14日にリリースされたが、同社は新たなるモデルの発表を行った。“リアルタイムLinux”そして、次期Enterprise Linux 6についてだ。

» 2007年03月16日 08時00分 公開
[Peter Galli,eWEEK]
eWEEK

 「Red Hat Enterprise Linux 5」(RHEL 5)は3月14日、サンフランシスコで開催されたイベントでリリースされたが、2月に最終コードが完成してからRed Hatはのんびり休んでいたわけではない。同社の技術チームは既に将来計画の策定を進めているほか、世界各国でサミットを開催している。最初のワールドワイドサミットは2月に開催された。

 Red Hatでは、次世代機能の提供に向けた新しいモデルも作成中だ。このモデルは、今後も同社がオープンソースコミュニティーと共同作業を続ける一方で、これらの新技術を中心として早い段階でのサービスベースの契約を顧客と結ぶことを可能にするという。

 Red HatのCTO(最高技術責任者)兼技術担当副社長を務めるブライアン・スティーブンス氏が最近の米eWEEKのインタビューで語ったところによると、このモデルの目的は、次世代の技術と機能の方向性に対する顧客の影響力を高めるとともに、そのコードを広範にリリースする前に実運用環境で使ってもらうことにあるという。

 「つまりこれらの顧客は異なるルールを選ぶわけであり、われわれは合理性を基本としたルールを作成しているところだ。リアルタイム技術で重視しているのは、それを強化しながら発展させる必要があるということだ」と同氏は説明する。

 Red Hatではまだこのモデルの価格方式を決定していないが、一部の顧客を対象としたサービスベースの契約という形になり、開発中の新しいメッセージング技術およびリアルタイムLinuxの両方に適用される。「しかし、これらは両方ともサブスクリプション方式の契約となることに変わりはない」とスティーブンス氏は話す。

 同氏によると、新しいメッセージング技術とリアルタイムLinuxの開発作業は、真の差別化要因としてインパクトをもたらし、顧客に大きな価値を提供するため、Red Hatと顧客との間の対話ではコストは大した問題にはならないという。「顧客は、自分たちにとっての価値を生み出すために、これらの技術をどう利用すればよいか知りたがっている」と同氏は話す。

 スティーブンス氏によると、Red Hatのビジネスを拡大することと、顧客のための価値を創出することは、重複する目標だという。

 「リアルタイムLinuxについて言えば、これは代替カーネルであり、上流部分に完全に統合される機能というものではない。単に階層的な製品あるいは技術セットというだけでなく、代替パッチセットを中心としたサポート契約でもあるのだ。われわれはこのパッチセットを管理し、最終的にはメインストリームへと押し上げるつもりだ。つまり、広く一般に利用可能な統合製品をいずれ提供するということだ」(同氏)

       1|2 次のページへ

Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.

注目のテーマ