需要急増で課題が噴出するデータセンター【後編】(1/2 ページ)

データセンターにはさまざまなリスクから情報システムを守り、サービスを継続させるためのトータルなファシリティマネジメントが求められている。活況を呈する現在のデータセンターが抱える課題とは何か?

» 2007年03月16日 07時00分 公開
[松岡功,アイティセレクト編集部]

 今や企業の基幹システムを担っているデータセンターには、可用性と信頼性、不正アクセスや情報漏えいを防止するセキュリティ対策、膨大なデータの安全な保管とバックアップ、災害対策などにおいて、厳しい要件が課せられている。

 こうした要件を満たすため、データセンターにはさまざまなリスクから情報システムを守り、サービスを継続させるべく、施設の企画、設計から施工、保守・運用管理までのトータルなファシリティマネジメントが求められている。

消費電力対策が最大の課題に

 その具体的な施策としては、消費電力、停電、空調、雷害、地震などへの対策が必要になるが、これらの中でいま最も大きな課題になっているのが消費電力対策だ。もともとデータセンターの単位床面積当たりの消費電力は、研究所や病院といった施設に比べて突出して高い。

 そこで今までは、将来の規模拡張をある程度予測し、余裕を持って設備を用意する形で施設をつくってきた。ところがこの数年、ブレード型に代表される新しいサーバの登場によって、消費電力が従来とは比較にならないほど大きくなってきており、消費電力の抑制や電源確保のための方策が求められている。

データセンターに設置されている大量のサーバ

 ブレードサーバはブレード1枚で1台のサーバを構成し、ラックに組み込んで利用する。もともとデータセンターの限られた床面積を有効活用するために開発されたものだが、部品の実装密度が従来のサーバに比べて極めて高いため、消費電力も大きくなる。

 さらにデータセンターにはサーバだけでなく、ストレージやネットワーク機器なども設置されており、これらの消費電力も大きくなってきている。そうなると発熱量も増え、その分空調設備も増強しなければならなくなる。またUPS(無停電電源装置)も、より大きな能力を持ったものにする必要がある。

 一般に、データセンターが消費する電力の割合は、サーバやストレージなどが6割強、空調が2割、UPSや照明が2割弱といわれるため、サーバやストレージ、ネットワーク機器の消費電力が上がれば、さらに大きな電源が必要になる。

       1|2 次のページへ

Copyright© 2010 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ