NEC、位置情報と連携した通話サービス制御システムを開発

» 2007年03月19日 23時38分 公開
[ITmedia]

 NECは3月19日、携帯電話のユーザーの位置情報と連携して、システムへのアクセス制限や通話料金の課金先の切替えなどをサービス提供者自身で設定できる新しい通話サービス制御システム「ロケーションコール」を開発した。

 開発したシステムは、インターネット網に接続されるロケーションコールサーバと、通常の電話網に接続される汎用SIPサーバ、および発信者の携帯電話端末内のアプリケーションで実現。本システムにより、特定のエリアにおける新しい通話サービスを、通信事業者が提供するサービスに依存することなく自由に提供することができる。

 システムの特徴は次の通り。

  • 位置情報と連携したアクセス制御技術

サービスを利用するユーザー(発信者)が携帯電話端末上のアプリケーションを操作することで、通話サービスの利用要求と位置情報がロケーションコールサーバに送信され、ロケーションコールサーバがユーザーの位置情報に基づいて受付け可否を判断。

  • 位置情報と連携した課金制御技術

ロケーションコールサーバは利用要求を受け付けると判断した場合に、ユーザーの位置情報を元にサービス提供者側が通話料金を負担する着信課金の電話番号または通常の発信者課金の電話番号を選択し、端末アプリケーションに通知。ユーザーが発信を許可すると、通知された番号を用いて端末アプリケーションがロケーションコールサーバに発信。

  • 着信時に発信者の位置確認ができる位置情報と連携した発番制御技術

ユーザーが施設内のどのゾーンから電話しているかを判別するために、ゾーンごとに発信者番号をあらかじめ割り当てておく。ロケーションコールサーバはSIPサーバと連携し、ユーザーの端末アプリケーションから発信された通話を発信者の位置情報に対応した発信者番号をつけて転送。店員などの通話相手は着信時にユーザーの位置情報を発信者番号通知で確認。

 携帯電話での位置情報サービスとしては、GPSなどを利用した地図や周辺のお店などの情報を提供するサービスは実現されているが、この技術はユーザーの位置情報に連動したエリア限定の独自通話サービスを実現できる点が特徴。本技術により、ユーザーは自分の状況に応じた適切なサポートを無料で受けられるなど、従来にはなかった新しいサービスを享受できるようになる。また、サービス提供者側も自社が保有するエリア内に限定した特別な通話サービスを提供できるようになるとともに、ユーザーからの通話着信時にユーザーの現在位置などを知ることができるため、ユーザーが必要とする適切なサポートをタイムリー、かつ効率的に提供できる。

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