第1回 勇気を出してジェロニモとお近づきになってみるApacheの戦士Geronimoが持つ実力(2/2 ページ)

» 2007年03月22日 16時59分 公開
[万仲龍樹,ITmedia]
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Geronimoサーバの起動

 サーバを起動するには\bin以下にある、startup.batというバッチファイルを実行します。バッチファイルの実行にはJAVA_HOMEの設定が必要です。また、スクリプトを利用せず、「java -jar server.jar」というコマンドでもサーバを起動できます。

 コマンドを実行すると、別コンソールが立ち上がってロードされたコンポーネントなどが表示され、サーバが起動します。

Geronimo管理コンソールの起動

 サーバが起動したことを確認するために、Geronimo管理コンソールを起動してみましょう。これはWebアプリケーションで作られているツールです。サーバが起動した状態で、次のURLをブラウザに入力します(図1)

http://localhost:8080/console/

 ログインするためには、ユーザー名とパスワードが必要です。デフォルトでは、Usernameに「system」、Passwordに「manager」と入力し、[Login]ボタンをクリックします(図2)

図1 図1 Geronimo管理コンソールのログイン画面
図2 図2 Geronimo管理コンソール

Geronimoサーバの停止

 サーバを停止するには、Geronimoが起動しているコンソールでCtrl+Cキーを入力します。これはサーバの起動をstartupバッチファイルで行った場合も、javaコマンドから行った場合でも同じです。

 また、スクリプトで停止させることも可能です。\binにある、shutdown.batというバッチファイルを実行すると、UsernameとPasswordを聞かれます。Geronimoコンソールにログインするときと同じものを入力すると、起動しているGeronimoサーバを自動で検出し、停止シグナルを送ります。

開発環境の構築

 次にGeronimoで稼働するアプリケーション開発環境を整えましょう。ここではEclipseとWeb Tools Platform(WTP)を利用します(コラム2参照)。

 2007年3月時点でのEclipseとWTPの最新バージョンはそれぞれ3.2.2、1.5.3です。WTPにはAll-in-oneとRuntimeのアーカイブがあり、All-in-oneには、Eclipseも同梱されています。WTPのダウンロードはこちらから行えます。

 EclipseからGeronimoをテストサーバとして使用可能にするには、もう1つプラグインを追加する必要があります。このプラグインを追加することで、Geronimoの起動/停止、アプリケーションのデプロイ/アンデプロイなどをEclipse上から行えるようになります。

 入手方法として一番簡単なのは、Eclipseからの導入です。WTPプラグインを組み込んだ状態でEclipseを起動し、J2EEパースペクティブに切り替え(メニューからは[Window]-[Open Perspective]-[Other...]-[J2EE])、画面下部のサーバビューで右クリックメニューの[New]-[Server]を選択します。このとき表示される画面で「Don't see your server listed? Click here」をクリックします(図3)。すると、Geronimo用のプラグインが表示されますので、選択して[Finish]ボタンをクリックすると、自動でダウンロードとインストールが開始されます。インストールが終わったら、Eclipseを再起動することでGeronimoサーバをEclipse上から使用できます。

図3 図3 サーバー選択の画面で右上の「Don't see your server listed? Click here」をクリック

 Eclipseが再起動したら、サーバの定義を作成しておきます。同様にJ2EEパースペクティブのサーバビューで、[New]-[Server]と選択し、今度は「Apache Geronimo v1.1 Server」をサーバに選びます。次にポートや管理用のユーザーIDなどを入力できます。ここではデフォルト値を受け入れます。[Finish]ボタンをクリックするとテストサーバが定義できたことになります。

コラム2:Web Tools Platform

 Web Tools Platformは、EclipseのWeb Tools Platform Projectにて開発されているWebアプリケーションの開発を行うためのプラグインです。このプロジェクトは3つのサブプロジェクトから構成されています。1つはWeb Standard Tools(WST)です。WSTがカバーする範囲は、HTMLやWebサービス、SQLなどの開発です。2つ目はJ2EE Standard Tools(JST)です。JSTがカバーする範囲はJ2EE1.4準拠のサーバーをターゲットにしたJ2EEアプリケーションの開発環境です。3つ目にJavaServer Faces Tools(JSF)があります。JSR127のJSF用の開発環境として開発されています。WTP1.5ではJSTの一部となる予定です。


本記事は、オープンソースマガジン2006年5月号「注目のJ2EEサーバー Apacheの戦士Geronimoが持つ実力」を再構成したものです。


著者紹介

日本アイ・ビー・エム システムズエンジニアリング株式会社

万仲龍樹・中山清喬・杉田直哉・津田嘉孝

日本アイ・ビー・エム システムズ・エンジニアリング株式会社(ISE)は、日本アイ・ビー・エムグループにおけるSE技術者の専門家集団として1992年7月に設立された。

発足以来、IBM製品を中心とした難易度の高い複雑なシステム構築や先進技術の適用場面において、卓越したITスキルによりお客様と開発現場を支援してきた。

近年は、仮想化技術・グリッドコンピューティング・Web 2.0・オープンソースソフトウェア等々の先進技術分野での支援も展開している。


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