「今どきのWebアプリは4時間で作られている」の理由Windows Liveが魅せる次世代マッシュアップ(3/4 ページ)

» 2007年03月30日 07時58分 公開
[ITmedia]

 「たくさん検索」、「検索くん」というアイデアについては、検索の使い勝手について今後も継続的なニーズがあると分析し、改善やパーソナライズが主流になっていくだろうと柳氏は語る。

 ただし、Liveガジェットは表示サイズが限られたミニアプリケーションのため、検索結果の文字や画像を表示させる場合、何らかの要約が必須となるだろう。このようなことを考えた上でイーストでは、検索対象サイトを切り替えることができ、しかも検索対象のWebや画像、ニュース、地図などを関連づけるLiveガジェットを開発した。

 このように、コンテンツ系ではさまざまなアイデアが寄せられた。ここまでのアイデアを見てくれば、目的が何であるか? そのWeb APIは公開されているか? などが分かれば、かなり容易に作り上げることができると考えてもよいはずだ。

高機能さはゲートウェイで、簡易ツールが現実的な解に

 情報共有系については、「行動予定表」、「グループウェア」と題されたアイデアが寄せられた。これらは、既存のグループウェアの簡易フロントエンドをLiveガジェットで実現するようなものだが、本機能そのものをLiveガジェットで実現するのは現実的ではないため、前述のようにマッシュアップ元のスタンダードが待たれるところだ。

 しかし、高機能さを求めずに、付せんの共有や情報をメールで共有するようなアプローチも考えられる。ただし、Liveガジェットはローカルのアプリケーションへとアクセスすることが禁じられているため、あくまでもオンライン上で公開されているサービスAPIを利用するのが前提だ。

 このカテゴリーに対しWindows Live Galleryでは、「コミュニケーション」が必見だろう。Vistaサイドバーガジェットの登録が多いが、中にはLiveガジェットでも実現可能では? と思うものも多い。思いついたアイデアが既存であるかどうか調べるだけでなく、アイデアをさらにマッシュアップさせていくためにも利用できるのだ。

単体動作はAPI利用を気にせずに作ることができる

 ツール系と分類されたのは、Liveガジェット単体で機能するものだ。Windows Live Galleryにも「ツールとユーティリティ」としてジャンルが存在する。

 寄せられたアイデアには、「たくさんのカウントダウン」、「スケジュール・アラーム」などがあり、イーストの社内でもニーズがあったものだと柳氏は語る。

 例えば、ワールドカップの開催日、旅行へとたつ日、何らかの記念日など、自分にとってモチベーションを高められるようなツールとして「カウントダウン」と呼ぶLiveガジェットが作られた(関連リンク)。あと何日、何時、何分などが表示できるよう機能が搭載されているものだ。

 さらに、「タイムテーブル表示アナログ時計」、「あみだくじ」というアイデアについては、Liveガジェットという比較的小さな表示域で演出する良い方法が見つからず未着手、「p-mode」というアイデアでは、ケータイ風のGUIでメールの送受信、そしてケータイサイトへのアクセスというコンセプトだったが、ゲートウェイの問題から調査中だという。

 また、「金融資産管理」のアイデアからは、Microsoft MoneyのLiveガジェット版だと想像ができたが、銀行とのオンライン連携が何らかの方法で必要となるため開発には至らなかった。しかし、主要な銀行がLiveガジェットでの提供を検討し始めれば、商用としてもおもしろいアイデアではないだろうか。

 これらのアイデアを元として、仕事中の息抜きゲームとして、10秒間でストップウォッチを止めるゲーム「時間感覚」や(関連記事)、表示される数字を暗算するゲーム「ブレイントレーニング」を作ったという(関連記事)

 ほかには、「SpeedMeter」、「CCV」というアイデアでローカルPCの状態をLiveガジェットで表示できないだろうか? との内容があったが、Webブラウザ動作状況を判断することは難しく、Vistaサイドバーガジェットで実現すべきガジェットであると判断された。

パーソナライズメモは今後のトレンドかもしれない

 メモ系として分類されたのは、情報を記録しておくためのメモ帳としての役割を持つものだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ