すでに、“ガジェット”と呼ばれる卓上でも楽しめるものリアルにも存在するため、そのLiveガジェット版がほしいというニーズも多い。今だからこそ、ヒット作を世に送り出せるというチャンスの時期でもあるのだ(関連記事:「Galleryから自作ガジェットを世界へ」)。
イーストでは、開発者間のコラボレーションツールとして「BizPal」を採用している(関連リンク)。企業ブログとして分類することができる情報共有ツールの1つだ。
なぜ? ブログが開発の現場でも情報共有に最適だと考えているのか。この問いに対しては、同社の柳明生氏からは次のようにコメントされた。
「スレッドで多くの意見が確認できること。そして時系列で整理できて気軽にディスカッションできるツールが必要でした。そして、すでに企業内コラボレーションとしてブログが使われていたことも大きなところです。さまざまなグループ単位でプロジェクト管理ができ、関係者の興味がどこに向いているのかも確認できる。SNSの側面も持たせてあるため、各人の開発ジャンルを知ることにもつながります」(柳氏)
Liveガジェット開発におけるここでのポイントは、気軽にディスカッションができること、そして、関連性を追尾しやすいということだろう。大規模なグループウェアも同じような目的を持つが、第一にコラボレーションシステムが軽量なこと、そして多くの開発者が仕事の最中に気軽に書き込めるインタフェースも重視している点だという。
画面1、2は、そのディスカッションを行っている特定のグループを覗いたところだ。同社では、このように開発者間の情報共有を図っており、それぞれの見解でLiveガジェット実現へのコメントを書き込んでいるという。
今回、Liveガジェットアイデア募集へ寄せられたアイデア傾向として分類されたものは次の通りだ。
なお、ここで紹介していくもののほとんどは、Windows Live Galleryで公開済みか、近日公開予定である(2007年3月28日現在)。
コンテンツ系では、「無料技術研修情報」、「釣り場情報」、「食事の献立」といったアイデアが特に際だっていた。ただし、これらのコンテンツ情報をガジェット側で収集・選別することは、技術的に、そしてLiveガジェットの仕様上でも難しい面が多く、すでに収集し選別された情報をWebサービスとして利用することが前提となる。そう、柳氏は語った。
ただし、応募内容と関連するWebサービスを探したところ適したものがなかったのだが、関連情報を持つ企業による協力で、川柳や俳句コンテンツの調達ができたという後日談がある。これにより、イーストのサーバ上にWebサービスを構築し、ガジェットを作り上げることができたという。
ちなみに、このカテゴリーについてWindows Live Galleryでは、「音楽、映画、TV」を始め、「ニュースとフィード」、「ライフスタイル」など、幅広いジャンルに属されている。
一方、「PC自己診断」というアイデアもあった。これは、単体で動作するツール系に属するものののように思えたが、修正パッチ適用などを考えるとWindows Updateの例もあるように、PCベンダーが提供すべきものではないかと考えられた。ただし、付加機能として、SNSなどを使ってユーザー同士の情報交換などが実現できるとおもしろいかもしれない、という開発現場での意見もあった。API公開によって、マッシュアップされる可能性が高いかもしれない。
ほかにも「緊急地震速報」、「炎上ウォッチャー」、「ガジェットFX」、「株価お知らせ」、「MONEYCENTER」というアイデアについては、タイトルからその内容が想像ができると思うが、即時性に依存するものとしてジャンル分けされたものだ。このため、Webサービス提供者の技術や信頼度が必要となる。情報の一次提供者、あるいはその情報に近い筋によるWebサービス提供が不可欠だろう。このため、今回は適当なWeb APIが見当たらず、開発へとは至らなかった。
「ブログ」に関するアイデアはかなり多かったものの1つだ。興味を持ったブログにコメントが届いた際、その情報を知りたいというニーズが多かった。これについてイーストがLiveガジェット開発を検討したところ、すでにココメントなどのサービスがあり、どのような仕組みで実現すれば良いのか、その手段について現在も検討中だという。
ほかにも、「人気ビデオランキング」、「Google検索ワードランキング」、「YouTube(ニコニコ動画)」、「テレビ番組速報」、「テレビ欄」、「カート用(ショッピングカート)」、「運送便の荷物追跡隊」などのアイデアについては、コンテンツの取得方法を調査中だという。タイトルから想像ができるように、マッシュアップ前提で手軽に実現できそうだが、情報提供のAPIが手軽に利用可能であれば、十分にLiveガジェットとして作り上げることができるだろう。
そして、これらのアイデアを基として、日めくりカレンダーへその日の出来事を加えた「今日は何の日?」(関連リンク)、さらに誕生日情報をテロップ風に表示する「今日の誕生日」(関連リンク)を作ったという。
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