2007年は高速サービスと固定通信連携を推進、ウィルコム喜久川社長(1/2 ページ)

ウィルコムの喜久川社長はフォーラムの基調講演で、次世代PHSの開発や固定/無線の連携サービス「FMC」を推進すると説明した。

» 2007年04月13日 07時30分 公開
[ITmedia]

 ウィルコムの喜久川政樹代表取締役社長は4月12日、「WILLCOM FORUM & EXPO 2007」で同社の2007年事業戦略について講演を行った。高速ネットワークの整備やFMCサービスの推進、多様な端末展開を行うという。

喜久川政樹社長

 まずネットワーク関連では、PHSの高度化規格「W-OAM」の提供エリア拡充や次世代PHSサービスの実用化を目指す。W-OAMは、通信速度の高速化や品質の向上、電波周波数の効率性を高める規格として2006年からエリア展開を開始している。

首都圏のW-OAMエリア。2007は緑色の地域に広げる計画

 2007年は東名阪など大都市圏を中心にエリア拡大を推進するほか、地方展開にも着手し、次世代PHSのサービス開始を視野に入れたエリア整備を本格化させるという。次世代PHSは、通信速度20Mbps以上の高速通信を実現するもので、3月には国際電気通信連合のITU-Rで、次世代無線ブロードバンド推進規格の1つに承認された。

 サービスでは、特に中小企業などで利用拡大が期待される固定/無線の連携サービス「FMC」(Fixed Mobile Convergence)の普及に注力する。FMCは、企業の内線電話をモバイル化するサービスとして通信キャリア各社がサービスを強化する。

FMCサービスの展開

 同社でも、企業向けにPHSを介した内線と外線利用の音声定額サービスを提供している。4月16日から社内システムとデータを同期するASPサービスも始める(関連記事)。電話喜久川社長は「PHSはFMCを前提とした規格だけに企業や家庭へさらに普及させたい。音声・データの両面で新たなサービスを展開する」と話す。

SIMスタイルで自由度の高い端末利用が可能になっている

 プロダクトでは、PHSを通信モジュール化した多彩な端末デザインを展開することができる「SIMスタイル」の普及を目指す。これまでにキャラクターモデルやPHS対応電話会議システムなどを展開するが、「自作できる『プラモデルフォン』、テンキーやGPS、拡張バッテリを外付けできるハードウェアカスタマズなども考えたい」と語った。

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