Vista OEMハッキングでアクティベーション回避

Windows Vistaで海賊版防止のためのプロダクトアクティベーションを回避できてしまうハッキング手法が出回っていることを、Microsoftが認めた。

» 2007年04月13日 09時03分 公開
[ITmedia]

 Windows Vistaで海賊版防止のためのプロダクトアクティベーションを回避できてしまうハッキング手法が出回っているという。MicrosoftはMSDNのWindows Genuine Advantageブログでこの事実を認め、今後の対応について説明した。

 ハッキングの標的となっているのは、OEM版Windowsに組み込まれているBIOSベースのアクティベーション機能。OEM Activation(OA)と呼ばれるこのやり方は、MicrosoftがWindows XPから導入した。正規版Windows XPをプリインストールしたPCマザーボードのBIOSに印を付けておき、そのPCが特定のOEMによって販売され、Windowsを起動するライセンスを持っていることをチェックする仕組みになっている。

 しかしここ数年で、BIOSに手を加えてOEM BIOSのように見せかけることができるBIOSエディタが出現、実際に機能するものも幾つか存在するという。

 Microsoftの見方では、Windows XPの場合、もっと簡単な海賊行為の手段があったため、このやり方はそれほど注目されなかった。しかしWindows VistaではWindows XPほど簡単に海賊行為ができないため、BIOSに手を加える「OA 2.0」ハッキングに関心が集まっているようだという。

 現在出回っているOA 2.0ハッキングは主に2種類あり、1つはXPの場合と同様、マザーボードのBIOSに手を加える方法。しかしこれは1つ間違えばマザーボードが使い物にならなくなる危険もあり、それほどの脅威にはならないとMicrosoftは見る。

 もう1つのやり方はBIOS自体には手を加えずに、ソフトベースのアプローチでOSをだまし、OA 2.0対応のハード上で実行されていると思わせる手口。エンドユーザーにとってはこちらの方が簡単だが、検出して手を打つことも簡単だという。

 ただ、今後の対応については「Windowsハッキングを目論む『マッドサイエンティスト』を根こそぎ食い止めることが目標ではない」とMicrosoft。第一目標は組織的な海賊版ビジネスの撲滅とユーザーの被害防止であり、大規模な金目当てのハッキング対策にまず力を入れると表明している。

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