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» 2007年04月25日 17時48分 公開

迫り来る“ハードウェア仮想化”の波 (1/2)

サーバ上で稼働するソフトウェア単位が変わろうとしている。より高密度化する仮想化は、いまやITの未来を語る上で重要なキーワードの1つだ。

[Peter Galli,eWEEK]
eWEEK

 ニューヨーク発、4月23日に現地で開催された「Linux/Open Source on Wall Street」カンファレンスでは、ソフトウェアおよびハードウェア双方の仮想化が大きな注目を集めた。

 IBMの「System p」世界マーケティングおよび戦略担当副社長であるスコット・ハンディ氏は、「Linuxの最前線(Linux on the Leading Edge)」と題されたパネルディスカッションの議長を務め、プロプライエタリ分野においてもオープンソース分野においても、仮想化が一連のイノベーションをけん引している発言した。

 IBMは、ユーザーがプロプラエタリおよびオープンソース技術の両方を使用できるミックスソースモデルを提供しているが、これがオープンスタンダードの普及に貢献しているという。

 「純粋に経済的な理由から、ミックスソースモデルはプロプライエタリやオープンソースとともに今後も存続するだろう。ただし、小さい投資で大きな見返りが得られる同モデルのオープンソース面を活用できなければ、競争力を維持するのは難しい。いずれにしろ、ミックスソースモデルには多大な効用がある」(ハンディ氏)

 ハンディ氏はパネルディスカッションの中で、仮想Linux環境「System p AVE(Application Virtual Environment)」の公開ベータ版を紹介した。同環境を利用すると、調整を行っていないx86 Linuxアプリケーションでも、IBMの「Power」プロセッサベースのSystem pサーバ上で動作させることができる。

 「現時点ですでに2800点ほどのアプリケーションがSystem pサーバ上のLinuxにネイティブで対応しているが、System p AVEはこれに加え、ほとんどのx86 Linuxバイナリを無修正のまま稼働させられる。初期テストの結果も、Linux OSを搭載するSystem pおよび『BladeCenter JS20/JS21』サーバに、広範なx86 Linuxアプリケーションをインストールし、動作させるのがきわめて簡単であることを示した」(ハンディ氏)

 「x86 Linuxアプリケーションを改造したり、System p AVEがインストールされたPowerベースシステム上のLinuxに対応させたりしなくても、動かすことが可能なのだ」(ハンディ氏)

 Transitiveの会長兼社長兼CEOであるボブ・ウィーダーホールド氏は、サーバ仮想化への関心が高まりつつある一方で、数年以内にはさらに別の展開が見られるかもしれないと話した。

 その可能性があるものの1つが、ハードウェア仮想化だという。ハードウェア仮想化は、ソースコードやバイナリを変更せずに、1つのプロセッサおよびOSをほかのプロセッサおよびOS上で動作させる技術である。

 これにより、独立系ソフトウェアベンダー(ISV)のソフトウェアや社内で開発したソフトウェアを移植する必要がなくなり、ソフトウェアエコシステムの迅速な拡張と、ほとんど手間を要さないサーバマイグレーションを同時に実現できるようになる。

 「そればかりか、サーバ統合および分割によるメリットも増大する。アプリケーションが問題なく動き、機能性と効率性が十二分に発揮され、完全な透明性と高い信頼性を兼ね備えた環境が生まれるのだ」(ウィーダーホールド氏)

 同技術は企業システムだけでなくPCでも利用されており、ユーザー数は600万人におよんでいる。ウィーダーホールド氏は、企業にとってのハードウェア仮想化の利点として、Linuxおよびx86サーバ上でSun Microsystemsの「Solaris/SPARC」アプリケーションを稼働させられるようになったことを挙げた。Transitiveと取引している欧州の電話会社は、すでに150点のSolaris/SPARCアプリケーションを仮想環境へ移行しており、さらに残りの1350点のアプリケーションにも同様の措置を取る予定だという。

 Nationwideで「System z」LinuxおよびUnixシステムのエンジニアリング/管理責任者を務めているロバート・ウーケナー氏は、データセンターのスペースが足りなくなり、電力消費量の増加や人材および専門知識の不足も深刻化したために、仮想化の導入を検討することになったと同社の状況を説明した。

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