Sun、Javaモバイルデバイス展開をブレイ氏語る(1/2 ページ)

米サンフランシスコで8日から開催の「2007 JavaOne」。開催に先立ち行われた合同インタビューで、ティム・ブレイ氏にJavaとスクリプトテクノロジーのかかわりについて聞いた。

» 2007年05月08日 18時18分 公開
[渡邉利和,ITmedia]

 Javaアプリケーション開発者のカンファレンス「2007 JavaOne Conference」が、5月8〜11日の4日間に渡り、米国サンフランシスコで開催される。それに先立ち、開催前日の7日(現地時間)、米Sun MicrosystemsでDirector of Web Technologiesを務めるティム・ブレイ氏に日本人プレスグループが話を聞く機会があった。

すべてのデバイスでWebコンテンツをパブリッシュ

 同氏はまず、現在同氏が取り組む3つの関心領域について説明した。

 1つが、新しいWeb技術としての“ATOM”、2番目が「Java以外の」別の言語、3つめがコンカレンシー/並列化プログラミングである。

 まず、ATOMだが、同氏によるとこれはWeb上でのニュース配信技術として広く利用されているRSSを“クリーンアップ”したものが原型だという。現在、一般的なRSSリーダーの多くが既にATOMにも対応済みだ。そして、この部分は既にRFC 4287として標準化されている。同氏は、この標準化を手がけたIETF(Internet Engineering Task Force)のワーキング・グループの共同議長でもある。

 また、ATOMには“ATOM Publishing Protocol(APP)”と呼ばれるHTTPベースでWebコンテンツの生成/更新/削除を実行するプロトコルが含まれることにも触れた。こちらはまだ標準化が完了していないが、ごく軽量なプロトコルであり、携帯電話やデジタルカメラといったデバイスにも搭載可能だという。同氏の展望として、将来はこのようなモバイルデバイスすべてがAPPに対応し、デバイスが生成した画像や音声といったバイナリ形式を含むさまざまなデータをデバイスから直接インターネット上のWebコンテンツとして公開できるようになるという。

 APPの基本構造はクライアント/サーバ間でのメッセージ交換のため、同様のXMLメッセージ交換プロトコルとしてWeb Servicesで利用されているSOAP(Simple Object Access Protocol)との違いについて聞いてみた。

 同氏は、最大の違いは“REST”ベースのアーキテクチャか否かという点にあるという。「質問はシンプルだが、答えるには膨大な時間を要する」として、概略のみを語るに留めたが、SOAPのようなアプローチの問題として、ベンダープロプライエタリな要素が多く、複雑、高価といった点を挙げた。一方、RESTアーキテクチャは“Webの原則に基づくもの”であり、より使いやすいものだという。

 具体例として、Amazon.comではさまざまな機能をWebサービスとして提供しており、そのインタフェースはSOAPベースのWeb ServicesとRESTの両方が用意されていることを挙げた。ただし、実際の利用では90%がREST版であることに言及した。APPには、すべてのデバイスが直接Webコンテンツの公開が可能になるというものに加え、RESTアーキテクチャの推進という意図もあるようだ。

Dynamic Languageへの注力

 2番目のJava以外のほかの言語については、具体的には最近注目されているさまざまなスクリプト言語(Dynamic Language)を指している。

 これに関して同氏は、「Sunには“Anser: Java. What Question?”(答えはJavaだ。で、質問は何?)という言葉があり、とにかくJavaという意識が強かったが、現在では態度を変え、他言語を使う開発者を歓迎する姿勢が強まっている」という。

 具体的には、PHP、Ruby(JRuby、Ruby on Rails)、Python、Jythonなどが挙げられた。

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