「IT投資の失敗」を繰り返さないためにInterop Tokyo 2007プレビュー

6月11日より開催される「Interop Tokyo 2007」。今年は、これまでの「IT投資の失敗」を繰り返さないために、自社が抱えるさまざまな課題をぶつける場として活用して欲しいという。

» 2007年05月29日 00時00分 公開
[ITmedia]

 6月11日より15日にかけて、千葉・幕張メッセにて「Interop Tokyo 2007」が開催される(展示会は13日より)。300社以上が出展し、ネットワーク技術を中心に、セキュリティなどのインフラ面、あるいはコミュニケーションを支援するアプリケーションなど、さまざまな側面のソリューションが紹介される、アジアでも最大級のネットワーク関連のカンファレンスだ。

 14回目を迎える今年のテーマは「“THE Internet”〜ビジネスを加速させる為の課題の解決策がここにある〜」。企業が抱えるさまざまな課題を解決し、自社のビジネスを加速するためにどうしたらいいのかを考える「ヒント」を提示し、解決に結びつける場を目指す。

 今やインターネットやITは、ビジネスにとっても、また家庭においても、ライフラインとして活用されている。文字通り「基盤」の役割を果たしていると言える。

 だが、その基盤は十分に活用されているだろうか? また活用されているとしても、もっと安価なコストで実現する方法はなかっただろうか? そもそも、市場にあふれるさまざまな技術を理解したうえで、正しく実装できていただろうか? こう考えていくと、IT化に多大な投資をしながら失敗に終わったケースは、決して珍しくないはずだ。

 「会社としてIT投資を行う立場から自分自身を振り返ってみると、まず勉強が足りなかった。企業それぞれにビジネスが異なる以上、やりたいことも違うはずなのに、同じモノを勧めてしまっていた。また知識の面でも、一人の人の意見に頼らず、いろいろな見方を持っている人と顔を付き合わせて話し合う部分が欠けていたように思う。ホットな話題があると『こんなことができるんだ』というところに目が行き、果たしてそれが自分のビジネスに適切かどうかという認識が不十分だった」――。

 CMPテクノロジージャパンのプロデューサー、佐藤孝氏は自らを振り返ってこのように述べる。

 「『これがしたい』『今抱えている課題をこう解決したい』という目的のないまま、『何だかよく分からないけれどとにかくITだ』と突き進んだ結果、投資に失敗したケースは少なくない。一度失敗を経験した以上は、その教訓を生かすべきだ。Interop Tokyo 2007は、失敗を繰り返さないために『自社のビジネスを加速するためにはどうしたらいいいのだろう』という疑問をぶつけ、答えを得るための場にしていく」(同氏)

 2006年のInteropでは、「Back to the Fundamentals」(原点回帰)というテーマを掲げ、ネットワーク技術の原理、原則を改めて確認した。それに続く2007年は、企業それそれが抱える課題が何かを明確にし、その課題を解決するための場として活用してほしいという。

 企業のビジネスは一社ごとに異なる以上、抱える課題もそれぞれに異なる。これに対しインターネットは、それぞれに答えを出せるだけのポテンシャルを備えていると佐藤氏は述べた。

 「ネットワークイコールインターネットと言ってもいいだろう。ただマシンの間をつなぐだけでなく、その上でさまざまなコンピューティングやアプリケーション、コラボレーションが動ける状態で融合し合ったものがインターネット。ビジネス上の課題を把握し、それをどう実現しようかと考えるとき、インターネットはその答えを持っている」(同氏)

 おそらく、さまざまな『こうしたい』という課題を解決できるだけの「技術」はそろっているはずだと佐藤氏。これに対し、「どうやったらできるのか」「いくらでできるのか」「いつまでにできるのか」という疑問を、カンファレンスの場を利用してどんどん投げかけてほしいという。

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