gFTPの実行オプションおよび各種設定については、オプション設定ダイアログ(FTP → Options)で設定できる。このダイアログで行える設定項目は、後記のようにタブ単位で整理されている。
gFTPには、2つのホスト間で直接ファイルを移動させるなど、有用な追加機能も各種装備されている。例えばこうしたホスト間転送を行うには、右側のウインドウで一方のホストに接続してから左側のウインドウに切り替え(ツールバーのFTP → window 1)、そこで他方のホストに接続する。両者の接続が確立されると、これら2つのホスト間でのファイル転送を行えるようになる。
上述したようにgFTPでは編集用のエディタを指定できるが、こうして登録した外部アプリケーションに対して、選択ファイルを右クリックして直接開かせることができる。またリモートホストにあるファイルの内容を変更して保存した場合は、編集後のファイルをgFTPが自動的にアップロードしてくれる。こうした機能は、設定ファイルをその場で変更したい時などに便利だ。
そのほかの特徴としては、2つのホスト間で比較操作をする機能も紹介しておくべきだろう。gFTPによる比較結果は、2つの転送ウインドウ間におけるファイルとフォルダの相違カ所を選択することで表示される。ただしここで言う相違カ所とは各ファイルの内容ではなく、単に同名ファイルが存在するか否かの比較なので、その点は注意が必要だ。
gFTPにはコマンドライン操作用のインタフェースも装備されている。この点、多くのディストリビューションにおいて、コマンドライン形式で操作するバージョンは別パッケージ扱いとされているのとは対照的だ。gFTPの場合、コマンドライン操作バージョンと標準バージョンとでFTPユーティリティとしての機能はほぼ共通しており、目立った相違点を挙げるとすれば、SSH転送およびディレクトリの再帰的ダウンロードに関するものくらいである。コマンドライン操作用のインタフェースについては、gFTPのWebサイトに詳しい説明が掲載されている。
gFTPはリモートホストに対してサイトコマンドを送信することもできる。サイトコマンドとは、FTP標準に含まれないサーバ固有のFTPコマンドのことである。サイトコマンドを送信するには、どちらかの転送ウインドウを右クリックしてSend SITE Commandを選択すればいい。あるいはツールバーのLocalないしRemoteメニューから実行することもできる。
gFTPの多機能性と有用性を一言で示すなら、Linuxでのファイル転送における万能ナイフだと表現できるだろう。Linuxユーザーであれば知っておいて損はないアプリケーションのはずだ。
Chad Filesは、10年以上のアプリケーション構築経験を有するソフトウェア開発者兼ライターであり、現在はさまざまなオープンソース系プロジェクトに開発者として参加している。今回紹介したgFTPは常用ツールの1つであり、その使用歴は5年近くに及んでいる。
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