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» 2007年06月05日 14時26分 公開

直下型地震対策の最新事情――緊急地震速報システム「HomeSeismo」

先月開催された「第1回 地域防災・防犯技術展 大阪」において、ひときわ注目を集めたのが直下地震対応の緊急地震速報システム「HomeSeismo」であった。従来の気象庁の緊急地震速報では対応できない直下型地震にも対応する同システムに迫る。

[田中雅晴,ITmedia]

 2007年5月23日、24日の2日間、大阪市住之江区のインテックス大阪において、防犯防災にとって必要な備品、最新機器・アイデアそして組織化のノウハウなどを展示する日本初の見本市「第1回 地域防災・防犯技術展 大阪」が開催された。

 同見本市は、対象を防災と防犯技術に限定した日本ではじめての国際見本市。防犯・防災に携わる企業や官公庁が各ブースで最先端の技術の紹介やデモンストレーションを行い、同時開催のシンポジウムとセミナーでも、災害や事故、犯罪などの事例研究に基づく具体的な対策が提案された。

 その中でもひときわ注目を集めたのが直下型地震に対応する緊急地震速報システム「HomeSeismo」であった。このシステムに関して、開発元であるエイツーの高木伸氏に話を伺った。

高木伸氏 エイツー営業グループの高木伸氏

直下型地震に対応した緊急地震速報システムとは?

 同見本市においてエイツーは、独立行政法人防災科学技術研究所と共同で開発した直下地震対応の緊急地震速報システム「HomeSeismo」の実機展示を行った。

 HomeSeismoの最大の特徴は、P波を検出して配信する従来の気象庁の緊急地震速報では対応できない、P波とS波の到達がほぼ同時である直下型地震にも対応している点だ。緊急地震速報を受信する端末であると同時に、その端末自体に単独地震計が内蔵されており、これが直下型の地震を検出する。地震波とノイズ(地震波以外の振動)は、搭載された自動判別アルゴリズムによって厳密に区別され、不要な警報は防がれる仕組みとなっている。また、数台の端末をネットワークで結ぶことで、より確実なP波センサーとして機能させることも可能となっている。ちなみこのネットワーク機能による速報は、気象庁のものより約3〜4秒早く通知できるとの試算が発表されている。

HomeSeismo端末 HomeSeismo端末。受信端末であると同時に、単独の地震計を内蔵している

音声による告知と、自動接点制御を同時に処理

 HomeSeismo端末が、気象庁の緊急地震速報による地震情報や自らの地震計による検出、あるいはネットワークされている場合はHomeSeismoネットワークによる地震情報を受信した場合、以下のような処理によって安全を確保する。

  • 音声による告知:「震度3です。地震到達まであと3、2、1……」のように、震度情報、到達時間を放送
  • 接点制御:ライン停止や回転ライト点灯、ほかの制御機器への停止信号の伝達
  • 一斉同報システムとの連動:多数の自治体に導入されているLANdeVOICE一斉同報システムと連動して地震速報を一斉配信

 ここでもやはり、内蔵地震計による直下型の検知が可能な点が、直接災害や二次災害の防止に有効であるといえるだろう。

地震情報の受信により、回転ライトの点灯やライン停止などの接点制御も可能

「揺れやすさ」演算や、リアルタイム震度情報の把握・解析も

 HomeSeismoでは、情報の受信・地震検知・制御のほか、内蔵地震計が検知する小規模地震(震度1〜3程度)を検出して、演算サーバにリアルタイムに通知し、これを気象庁からの地震情報と比較して、その場所のゆれやすさを把握することもできる。

 すなわち、「気象庁データと比較して震度が大きい」=「ゆれやすい」、「気象庁データと比較して震度が小さい」=「ゆれにくい」と判断することができ、これによって例えば広域避難場所に指定されている学校の場所が実際にどれくらい地震に強いかなどを数値として確認できる。

 また、自治体などでネットワークとしてSeismo端末を多数設置した場合、大地震が発生した時に、リアルタイムに震度情報を把握し解析することで、被災状況(震度情報)を瞬時に把握でき、これにより効率的な救助活動の指示や的確な避難場所の変更、避難指示が可能となる。

実証実験への参加自治体を広く募集

 開発元のエイツーと独立行政法人防災科学技術研究所では、この緊急地震速報の高度利用を目的とした地震計内蔵型緊急地震速報受信端末HomeSeismoの、よりいっそうの実用化に向けて、現在実証実験に参加する自治体を広く募集している。こうした取り組みによって、直下型地震に対する自治体の対応がさらに進むことが期待される。

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