「ハズレ上等企画」の山でイライラするのは終わりにしよう企画マネジメント 7つのプロセス(1/2 ページ)

マネジャーが方向性を示さないまま集められた企画は、ハズレ企画の山になることが多い。それを前にして「いい加減にしろ」と部下を怒鳴っても時すでに遅し。最初から採用されることを考えない「ハズレで上等」という空気がまん延してしまう。

» 2007年06月06日 07時00分 公開
[アイティセレクト編集部]

本記事の関連コンテンツは、オンライン・ムック「企画創出のためのマネジメント力」でご覧になれます


アクションプランだけで突っ走るな。

 「出せ出せ」と方向性を示すことなく、部下に企画を要求するだけでは、マネジメントをしているとはいえない。参照記事

 では、企画マネジメントは具体的にどのようにすすめればよいのだろうか。眼鏡レンズメーカーのニコン・エシロールの元CEOで、現在経営コンサルタントとして活動している、長谷川和廣氏は部下に企画を立てさせるとき、次の7つのポイントを押さえるべきだと話す。

 「(1)背景・経緯、(2)現状の課題、(3)課題改善の可能性、(4)目標、(5)目標達成のためのアクションプラン、(6)経済性、(7)他に与える影響。この7つは、企画を立案するときのプロセス順に並んでいます」

 まず情報収集して現状を把握して、そこから課題と改善可能性を洗い出して、数ある改善可能性の中からターゲットを絞り、それを実現するための企画を立てる。さらに、それが会社にどんな利益をもたらし、どんなリスクをはらんでいるかを検証する、というわけだ。

長谷川和廣氏

 「企画立案というと、このうちの(5)のアクションプランだけを考えようとするビジネスマンも多いようです。しかし、前後のプロセスのない企画は、ただの思いつきにすぎません。商品企画にしろ、営業企画にしろ、7つの手順がそろってこそ、はじめて企画として価値を持つことを部下に徹底させるべきです」(長谷川氏)

 例えばヒットの可能性を秘めた商品企画があっても、自社がすでにその類似製品で圧倒的なシェアを取っているなら、新しい商品を投入する意味はない。にもかかわらず、そんな企画を上げてくるのは、(1)現状把握と(2)課題の洗い出しというプロセスが抜けているからだ。

 あるいはヒット確実な企画でも、多大な投資が必要で、豊富な資金力がある企業にしかできないものもある。自社が中小企業なのにそういった企画を部下が提案してくるのは(6)経済性の検証ができていないからだろう。

 では、部下にどうやってこの企画立案プロセスを徹底させるか。もっとも簡単なのは、このプロセスに応じたフォーマットで、企画書を作らせることだ。最初から(1)〜(7)を書きこませるようなフォーマットを作っておけば、どこかが抜け落ちるようなことはない。

       1|2 次のページへ

Copyright© 2011 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ