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» 2007年06月01日 07時00分 公開

企画マネジメント マエストロへの道:「企画出せ出せ」型マネジャーの悲劇 (1/2)

「企画を作る仕事」というのは本来楽しいもののはずだ。マネジャーであるあなたは、部下にハッパをかける。「俺の若い頃は毎月100本以上企画を出していたもんだ。企画が注目されればそれだけチャンスも広がるんだぞ」。少し疲れた顔であなたの部下たちは、いつものように答えるだろう。「頑張ります」と。しかし…。

[アイティセレクト編集部]

本記事の関連コンテンツは、オンライン・ムック「企画創出のためのマネジメント力」でご覧になれます


 役員から命令を受け、画期的な商品企画や営業企画を策定することを任されたあなたは、部下たちに対して、「とにかく企画を出せ」と命じた。部下たちは「頑張ります」とは言ったものの本当は途方にくれている。そしてあなたの知らないところで、こんなセリフが深夜の会社でささやかれる。「この間も突然企画を出せと言い出したけど、あのときの企画はどうなったんだろう」「企画力でマネジャーになったの? あの人」「数を出せば、何とかなるだろうなんて、付き合いきれないよ」

 そう、あなたが役員に対して感じたことを部下たちも感じてるのです。「また始まった。前回出した企画はどうなったのだ。何時間残業して企画を練ったと思っているんだ」。

 しかしあなたはどうしようもない間違いをおかしているわけではない。良い企画を出し、注目されればそれはビジネスマンとしてのチャンス。部下がピンとこないのは、あなた自信が良い提案をしていないか、あなたのチームが企画による成功体験を持っていないからなのです。

 とにかく企画を出せ、という命令はマネジメントとは言えない。あなたは上役から、何を求められているか、理解できていますか?

ダメ企画はすべてマネジャーの責任

 「企画が成功しない主原因は、それをマネジメントする側にある」というのは、外資系企業で数々の商品企画を成功に導いてきた経営コンサルタントの長谷川和廣氏。

 「マネジャーが企画をマネジメントするうえで、大切な役割とは何でしょう。まず最初にやるべきは、目的を明確にしてから部下に企画を求めるというということです。昨年まで私がCEOを務めていた眼鏡レンズメーカーのニコン・エシロールのケースで説明してみましょう。私が経営に参画する前、同社は長い間、赤字に苦しめられていた。当時はデフレの真っただ中であり、眼鏡業界でも値引き合戦が過熱。それなりに商品は売れても利益は出ないという状況に陥っていたわけです。そこで社長就任後、世界的に有名な「バリラックス」ブランドで、高機能の遠近両用レンズの新製品を開発し、高めの価格設定で次々に市場に投入。当時の業界の常識では考えられない価格設定でしたが、これが消費者には受け入れられて、同社の黒字転換の原動力になったのです」

長谷川和廣氏
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