マイクロソフトはモバイル端末向けOSの最新版となるWindows Mobile 6を発表した。ビジネスマンにうれしい機能がいっぱいだ。
マイクロソフトは6月6日、スマートフォンやPDA端末向けOSの最新版となる「Windows Mobile 6日本語」を発表した。メッセージングやWebブラウズ、セキュリティ機能が大幅に拡張されている。
メール機能は、新たにSharePoint Serverへのダイレクトアクセスが可能になり、メールに添付されたリンクを経由して社内で共有化されているファイルを利用できるようになった。Exchange Serverで設定したセキュリティポリシーをモバイルデバイスに強制できるため、ユーザー認証やデバイス認証を利用して、社外からでも安全にファイルサーバにアクセスできるという。
メールサーバ内のメールを検索する機能も搭載され、1日数百通を受信するようなユーザーには必要なメールの抽出が便利となる。また、メールフォーマットはテキスト形式に加えてHTML形式にも対応し、グラフィカルなメールを閲覧できるようになった。
Windows Mobile 6では、Office 2007で作成されたデータの閲覧や編集にも対応する。以前のバージョン(Windows Mobile 5以前でもマイクロソフトが用意する予定のアップデートをPCでダウンロードして端末にインストールすれば、Office 2007のデータを利用できる見込みだ。
Webサービスは、Microsoftが推進するWindows Liveのモバイル版が標準で実装され、Web検索やインスタント・メッセージングなどの機能を利用できる。モバイル版のInternet Explorerは、WXGAなどの高解像度表示やAjax、Java Scriptなどに対応してPC環境とブラウザとなった。表示性能のパフォーマンスも改善されて、素早いブラウジング操作が行える。
セキュリティ面では、メモリカード内のデータ暗号化や遠隔操作による端末内のデータ消去機能を標準で備え、Exchange Serverで設定したセキュリティポリシーを強制することができる。また、新たに搭載された「リモートデスクトップ モバイル」機能によって、モバイル端末をシンクライアント端末としても利用できるようになった。
Windows Mobile 6には、フル機能版の「Proffesional」、タッチパネル機能を除いた「Standard」、通話機能を除いた「Classic」の3つのエディションが用意され、ProffesionalはPDA型スマートフォン、Standardは携帯電話、Classicは従来型PDAや業務用途などへの利用が、それぞれ想定される。また、Officeソフトやリモートデスクトップ、Windows Liveなどは、端末メーカーや通信事業者がオプションで設定する仕組みとなっている。
Windows Mobile 6日本語版を搭載するスマートフォンは、すでにソフトバンクモバイルが2機種、ウィルコムが1機種を発売するとしており、2007年内にさらに多くの機種が登場する見込みだ。
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