2007年“問題いろいろ”――オルタナブロガーの体験と指摘オルタナブログ通信(2/3 ページ)

» 2007年06月08日 19時44分 公開
[森川拓男,ITmedia]

 川上暁生氏「ITコンシェルジュの Try ! & Error ?」5000万件の突合せ作業で1000億円でも書かれたように、5000万件の突き合わせ作業に1000億円が必要という試算があった。これがさらに増えるということは、この費用がさらにかかるかもしれない……。これはあくまでも、年金の照合作業にかかる費用である。ここで判別した後、支払われるべき年金が別途支払われるわけで、これにかかる費用はいったいどの程度になるのだろうか。

 老後は年金で安泰だ――そう思っていたのは夢のまた夢、絵に書いた餅になってしまうのか。少なくとも、いったいどの程度の不明金が存在し、責任の所在が何処にあるのか。まずはそこをしっかりしないと、いくら「救済法案」(「救済」ではなく「謝罪」ではないか)を出したところで、何もできないのではないだろうか。選挙前だからといって慌てるのではなく、しっかり腰を据えて取り組んでほしいと思う。

 安藤怜氏「安藤怜のロンドン灯」でも、私の学生時代の年金はどこに?で不安を隠せずにいる。特に、社会人になる前、学生時代に(場合によっては親が肩代わりして)支払った国民年金が、いちばん不安なところであろうか。しかも、年金手帳が見当たらないケースもある。

 そういえば筆者も、会社員時代にいちど年金手帳を紛失し、新たに作ってもらったことがある。そしていま……、どこかにしまい込んであるはずだが、どうだろうか。

 また、加藤恭子氏の「きょこ コーリング」では、年金について調べて気付いた会社名というエントリーでは、厚生年金について調べてもらったところ、勤めたことのない会社名が書いてあるという驚愕の事実を書いている。

 要するに会社登記の名称変更が行われていて、このケースでは法人としてなくなったためにその直前の名前に変わっていたというわけだ。これはなかなか興味深い事実だ。

 しかしこの問題、せめてコンピュータで管理している部分程度はしっかりとマッチングし、連絡してくれても良さそうなものだ。しかし、あくまでも各自が問い合わせないと調べてくれないという問題がある。また、ネット経由で調べることも可能だが、かなり手間の掛かるのが事実である。

 安倍首相は「親方日の丸」という認識があったためにこうなったとコメントしているが、果たして非公務員型組織にすればよいのかどうか。そもそも職員の意識改革ができなければ意味がない。役人だって、きちんとした意識をもってさえいればよいはずであり、公務員だから仕事ができないでは困ってしまうのではないか。その上、さらに再就職の斡旋(天下り)まで認めているのだから、何を言わんとしているかだ。素朴な疑問だが、仮に公務員が肩たたきなどで辞めたならば、民間と同様にハローワークなどを利用すればよいだけのこと。天下りが担保されなければ仕事ができないのならば、人選にも問題があるだろう。

 この年金問題、まだまだ続きそうである。

 また、年金とは少し異なるが「ふるさと納税」も注目である。加藤和幸氏「てくてくテクネコ」では、ふるさと納税はIT特需かというエントリーにおいて、仮にふるさと納税が実施された時、市町村の情報システムに莫大な費用がかかるのではないか? そして、それは特需なのか? それとも税金の無駄づかいなのか、という提起をしている。

 近付いている参議院選挙では、これらの対応をしっかり監視し、投票行動へと結び付けていかなければならない。

PASMOの注意事項(きょこ コーリング)

 いまや、電子マネーが花盛りだ。複数の電子マネーが存在しているため、小銭を持たずにすむ利便性から電子マネーを活用しているはずなのに、結局は複数の電子マネーを持ち歩いていて繁雑になっている人もいるかもしれない。これは、統一された「円カード」のようなモノができない限りは、解決されない問題だろうか。その次善の策として、電子マネー同士の相互利用が行われているのが現実だ。

 さて、電子マネーの中でも、便利でよく使われているのが、SuicaやPASMOなど交通機関の電子マネーだろう。

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