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» 2007年06月12日 15時37分 公開

MSのTechEdでIBM、開発者獲得注力へのコメント

MSのダイナミックIT、IBMのJazz、それぞれでコラボレーションに対する新たな試みが進められているが、どうやら両社は同じ目標を掲げているという。その真意は?

[Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK

 MicrosoftとIBMは同じ目標を目指しているようだ――より俊敏でダイナミックなビジネスを展開する能力を顧客に提供することである。

 6月4〜8日にフロリダ州オーランドで開催されたMicrosoftの「TechEd」カンファレンスにおいて同社幹部は、ユーザー企業が自社の顧客や自社のビジネスのためのアプリケーション開発およびサービス提供の俊敏性を高めるのを支援するつもりだと語った。そして、Microsoftのアプリケーションプラットフォームを利用すれば、コラボレーションを改善し、SOA(サービス指向アーキテクチャ)を利用するのと同様、変化に俊敏に対応できることを示した。Microsoftのサーバ/ツール部門のボブ・マグリア上級副社長は、これを「ダイナミックIT」と呼んだ。

 一方、IBMは6月10〜14日にフロリダ州オーランドで開催の「Rational Software Development Conference」で、開発ツールの新製品や改良版を多数発表する。これらのツールは、アプリケーションの迅速な開発を支援するだけでなく、開発ライフサイクル全体を通じてプロジェクトを管理・サポートするのにも役立つという。

 さらにIBMは、「Jazz」と呼ばれる新しいコラボレーティブ開発コミュニティーをカンファレンスで紹介する。IBMが発表する開発者向けコミュニティーサイト「Jazz.net」では、同社から提供される開発者向けコードの作成に協力することができる。IBMのLotus部門などの提案に基づいてIBM Researchが立ち上げたJazzプロジェクトは、開発チームの俊敏性とコラボレーションの改善を目指したオープンコミュニティーである。

 IBM Rational部門で製品マーケティングディレクターを務めるデビッド・ロック氏によると、同社はJazzプロジェクトから生まれた新技術の最初のβ版をリリースするという。Jazzはコミュニティー主導型開発のビジョンを具現化したもので、ソフトウェアデリバリープロジェクトの可視性、インテリジェンスおよびコラボレーションを促進する新しいソフトウェアが用意される。

 またIBMでは、パートナー、顧客、ソフトウェア開発コミュニティーへのJazz.netの提供についても発表を行う予定だ。ロック氏によると、Jazz.netでは、顧客がIBMとの共同作業あるいは顧客同士での共同作業を行えるほか、要望の提出、バグの報告、IBMのソフトウェア開発/デリバリープラットフォームへの協力なども行える。さらに、Jazz開発プラットフォームをソフトウェアサプライチェーンとして開放することにより、Jazz.netはIBMの将来のソフトウェアリリースに組み込まれる標準と共通コンポーネントの発展を促進するという。

 カナダのオタワを本拠とするEclipse Foundationの執行ディレクター、マイク・ミリンコビッチ氏は、「JazzはEclipseをベースとした非常に斬新な製品であり、その開発にはEclipseプラットフォームを作成した開発者の多くが携わった。この構想がIBM Rationalにとって大成功となるとともに、Eclipseの商用エコシステムのさらなる成長につながるよう期待している」と話している。

 ロック氏によると、Jazzプロジェクトから登場する最初の製品は「IBM Rational Team Concert」だという。これは、ソフトウェアデリバリーチームの生産性を改善するためのコラボレーティブポータルである。「このソフトウェアは、中堅・大手企業のアジャイル開発チームを対象とする。IBMでは将来的に、IBM Rational Team Concertの製品ファミリーおよび既存のIBM製品用の拡張機能を提供する考えだ」と同氏は話す。

 IBM Rational部門のゼネラルマネジャー、ダニー・サバー氏によると、コラボレーションは独立した開発ツールの主要な要素になるという。「開発者単独では効率的な開発を行うのが難しくなってきたからだ」(同氏)

 ロック氏によると、IBMは「Rational Portfolio Manager」をアップデートし、新しい軽量型Webクライアントを追加する予定だ。また「Rational Method Composer」に6つの新しいプロセスプラグインを追加するほか、「Rational ClearCase」「Rational ClearQuest」「Rational Build Forge」「Rational RequisitePro」の各ツールもアップデートするという。

 今回のカンファレンスでは、5月に開かれたIBM主催の「Impact」カンファレンスで紹介された新製品「Rational Asset Manager」にもスポットライトが当てられる。ロック氏によると、IBMはJazz.net用に作成された4つのインキュベータプロジェクトも発表する予定だという。これらは、ストーリーオーサリングプロジェクト、チームレポーティングプロジェクト、プロセスオーサリングプロジェクト、そしてコード分析プロジェクトである。

 Burton Groupのアナリスト、アン・トーマス・メーンズ氏は、「IBMとMicrosoftのアプローチは対照的だ」と指摘する。

 「IBMはトップダウン方式のエンタープライズ型開発にフォーカスしているのに対し、Microsoftはボトムアップ方式のKISS(Keep It Simple, Stupid:とにかくシンプルに)型開発にフォーカスしている。現実には、企業はトップダウン方式の計画とガバナンス、そしてボトムアップ方式の軽快・俊敏なプロジェクト実施を組み合わせる必要がある」(同氏)

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