RevisorはFedora 7の標準インストール環境には含まれていないが、Fedora 7の正式リリースの少し前にリポジトリに追加されたのでyumやPirutを使えば簡単にインストールできる。
Revisorはrootアカウントで実行する必要がある。この条件は、Revisorプログラム自体の問題というより標準のパッケージ管理ツールへの依存関係に起因しているようだ。しばらく初期画面が表示された後に現れるオプション群は、以下のとおり。
こうした一連のオプションにより、上級ユーザーは独自の設定ファイルを使ってインストールイメージを作成することが可能になる。それほど高度または明確なニーズのないユーザーは、1、4、6番目の項目を設定するだけでよい。Revisorとともにインストールされるrevisor.confや sample-ks.cfg(Kickstartの設定ファイル)は、多くの人々のニーズに合致しているはずだ。少し厄介かもしれない唯一のオプションが 6のパッケージ選択だが、FedoraのインストーラAnacondaで使われているのとよく似たインタフェースで行えるので、設定が難しいわけではなく単に時間がかかるというのが実際のところだ。
オプションの設定が終わると、Revisorによるインストールイメージの構築が始まり、依存関係の解決、パッケージのダウンロード、パッケージへのAnacondaインストーラの追加が行われる。オプションの選択内容にもよるが、この処理には多少時間がかかる場合がある。例えば、デフォルトのパッケージ選択でDVDイメージを作ると、パッケージのダウンロードだけで数時間かかることがある。ただし、結果として構築に失敗することは少ないように思える。インストールイメージに関して特殊なニーズのある人ならきっと誰もが、それだけの手間をかける価値があると認めるだろう。
Revisorには早急に用意された感がある。Fedora 7リリース前のわずか数日前にリポジトリに追加され、急ぎのためかどうやら最終的な仕上げの処理が省略されたようだ。例えば、初期画面にスペルミスがあったり、上級者向けオプションにグレーアウトされているものがあったりする。同様に、構築に使用するリポジトリの選択対象はすでに構築システムに追加されているものに限られており、ウィザード内からの追加は一切できない。コピー先のディレクトリを変更するとRevisorがデフォルトの設定に戻ってしまうのも、混乱の基になっている。
また、これまで構築プロセスを自動化してきたRevisorは、それ以外の部分にも目を向け、テキストエディタで設定ファイルを開けるようにすることで使いやすさを高めることができたはずだ。同様に、構築処理の最後にバーナー(メディアへの焼き付けツール)を開いて完成したイメージをCDやDVDにコピーする機能を用意することも可能だったろう。ただ、最後の画面でグレーアウトされているオプションから判断すると、最終的にはこうした機能のほか、BitTorrentファイルやJigdoファイルの作成、サーバへのアップロード、USBデバイスへの書き込みといった機能の追加も想定されているようだ。
現在使えるのは基本的な機能だけだが、今のままでもRevisorは非常にシンプルかつ便利なツールであり、長い間こうしたツールが標準的なディストリビューションの基本要素になっていなかったことが不思議に思えるほどだ。結局、多くの人々がフリーソフトウェアは選択がすべてだといっている以上、インストール方法に関することはもっとユーザーに委ねることが一番自然なのではないだろうか。
もちろん、すでにFedora 7をインストールしていないとRevisorが利用できないというのはナンセンスだ。だが、例えそうだとしても、Revisor――あるいは類似のプログラム――はやがて大きな支持を得ることになるだろう。
Bruce Byfieldは、NewsForge、Linux.com、IT Manager's Journalに定期的に寄稿しているコンピュータジャーナリスト。
Copyright © 2010 OSDN Corporation, All Rights Reserved.