「フィッシング」の認知度は8割に、女性と10代ではやや低く

フィッシング対策協議会は6月28日、「フィッシング詐欺に関するユーザー意識調査」の結果を公表した。

» 2007年06月28日 18時52分 公開
[ITmedia]

 「フィッシング」という言葉やその手口の認知度は8割に達しているが、女性や10代のユーザーでは認知度は比較的低い――フィッシング対策協議会が行った調査からは、このような実態が明らかになったという。

 この調査「フィッシング詐欺に関するユーザー意識調査」は、フィッシング対策協議会が2月22日から26日にかけて実施したもの。Web上のアンケートを通じてフィッシング詐欺とその対策などについて聞いた。有効回答数は865通という。

 フィッシングという「言葉」を知っているという回答者は79%、「手口」について知っている回答者は80.8%に上った。ただ属性で見ると、男性の84%に対し女性は72%とやや低くなっている。また年代別では、ほかの世代の認知度がおおむね80%前後であるのに対し、10代では64%と、これも比較的低い結果となった。

 またフィッシングメールの受信経験について尋ねたところ、「受け取ったことがある」は英語、日本語合わせて15%に上った。受け取ったことはないとする回答は54%で、わからないという回答も31%あったが、この中には、スパムメールとして削除し、フィッシングに気付かないケースも含まれていると見られる。

 フィッシングメールを受け取ったという回答者に被害の有無を尋ねたところ、5人が「経験有り」と回答した。金銭的被害のほか、ID情報などを詐取され、他人に悪用されたケースがあったという。被害に遭った比率は全体の1%程度であり、同協議会では、「フィッシングは日本人をターゲットとする事例が欧米よりはるかに少なく、オークション詐欺やワンクリック詐欺被害に比べても被害経験者率は少ない」と指摘。ただ同時に、今後被害が増大する危険はあるとしている。

 なお、普段からフィッシング対策として気をつけていることを尋ねた設問では、特に気をつけていないという回答が57%に上った。最も多く取られている対策は「見知らぬ人からのメールは開かない」こと。同協議会では「言葉や手口を知っていても、対策行動に結びついていないことがある」としている。

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