増えるスパムがリソースや管理者の負荷に、シマンテック調査

シマンテックが「企業におけるスパムメールの現状に関する調査」の結果を公表。引き続きスパムメールは増加傾向にある。

» 2007年06月29日 08時51分 公開
[ITmedia]

 スパムメールの増加を背景に、対策導入企業も増加。ただ、業務で必要なメールがスパムと間違えられる「誤検知」が不満の種になっている――シマンテックが実施した調査からは、スパムに悩む国内企業のこのような姿が明らかになった。

 この「企業におけるスパムメールの現状に関する調査」は、シマンテックが第三者調査機関の協力を得て実施したもの。企業内のネットワーク管理者、エンドユーザーそれぞれを対象に実施し、有効回答数は566件、468件だった。

 管理者向けの調査では、1日当たり企業全体で受け取るメールの総数は、前年より35%増加し、平均約10万4000通。うちスパムが占める比率は平均で28%程度で、1日当たり約2万9000通という数に上る。

 特に、スパム受信比率が30%以上という回答が全体の半数近くに上っており、「メールそのものの数も増えているが、それとともにスパムの比率も増加している」(同社SMB&エンタープライズマーケティング部、セグメントマーケティングマネジャーの田上利博氏)。また管理者の自由回答からは、スパム増加にともなうトラフィック増により、サーバの負荷や管理者自身の管理工数が増えている実情が明らかになった。

 一方エンドユーザー側でも、平均メール受信数108通のうちスパムが占める比率は、前年の21%から増加し28%となった。この結果、不快感だけでなく、必要なメールがスムーズに取り出せないという生産性/業務効率の低下やトラフィック過多によるメールボックス容量あふれといった問題が生じているという。

 企業におけるスパム対策自体の導入率は、前年の46.7%から57.4%へと向上した。最も普及している対策は、サーバ側でのスパム対策ソフトの導入(35.3%)だが、一方で、エンドユーザーによる手動削除が43.3%、メーラーのスパムフィルタ機能の利用が30.9%など、クライアント頼みの対策がいまだ広く利用されている状況も明らかになった。

 結果として、現在のスパム対策に満足している管理者は51%。特に、運用管理のリソースに直結する業務メールの誤検知やスパム検知率の低さ、日本語スパムや画像スパムなど新手の手法への対応といった部分で不満が高いという。

 こうした実情を踏まえ、「全社的なスパムに対するリテラシーの向上が必要ではないか」と田上氏は述べている。

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