NEC、30年先を見据えたC&Cイノベーション研究所を開設

NECは、30年先を見据えた将来の情報通信システムの研究を行う「C&Cイノベーション研究所」を、奈良県生駒市にあるNEC関西研究所内に設立した。

» 2007年07月12日 14時44分 公開
[ITmedia]

 NECは7月12日、30年先を見据えた将来の情報通信システムの研究を行う「C&Cイノベーション研究所」を奈良県生駒市にあるNEC関西研究所内に設立した。「C&C」は1977年に当時のNEC会長である小林宏治氏が、通信技術とコンピュータ技術が融合するという概念を提唱した際に用いられた単語。

 同研究所で当面の主な研究課題として取り組むのは、個々のナレッジやイノベーションを結集し、新たなイノベーションを創出する「知識コンピューティング」と、時間、空間、言語、文化といった障壁を越えたコミュニケーションを行うための「こころコミュニケーション」の2つ。

 これらの研究課題はすでに研究環境として整備されているのも特徴として挙げられる。「知識コンピューティング」の面からは、Wiki型オープン共創基盤の開発や、研究所内の映像や音声、人の移動や接触、書籍や文献の参照履歴、PC操作履歴、ホワイトボードに書かれた内容などのデータベースを自動的に構築するシステムを導入しているほか、廊下などでひらめいたアイデアをつぶやくと、壁に設置した機器が記録し、その前を通った別の人に伝える、といった設備(ひらめきの径)も備えているという。

研究所内の人の移動や設置物との接触を動線情報として可視化したところ
ひらめきの径。ひらめいたアイデアを別の人へ広げるための設備

 また、Web上のテキスト情報から人物の関係を抽出し、人脈情報として表示するシステムを開発。将来的に、人物に限定せず、Webや実世界にあるすべての情報から物事の因果関係を導き出し、知識をつなぎ合わせることで、大規模な知識体系を築きあげるシステムへの応用を図る。

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