ベンダー必見:IT担当に売り込む秘訣Magi's View(2/3 ページ)

» 2007年07月23日 04時59分 公開
[K.G.-Schneider,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine

 ITマネジャーの上司に製品を売り込むことは避けるようにしよう。Equinox Software社社長のブラッド・ラジュネス氏は、同氏がジョージア州立図書館に勤務していたころを思い出して、同図書館の中央自動化ソフトウェアを動かす150万ドルのサーバに、自社のシステムを採用してもらおうとしていたベンダーの話をしてくれた。同氏の表現によると「すごい売り込み様だった……本当に強力な売り込みだった」とのことだ。「ベンダーの人たちは群れをなしてやって来た。ところが彼らのお偉方向けのミーティングには(より上層の)経営陣が招かれ、わたしは招かれなかった。確かにわたしは取るに足らない小者だったのだが、しかし実際にはIT関連の購入物の決定権はわたしにあったのだ」。ラジュネス氏によるとそのベンダーのサーバは購入されず、州立図書館はラジュネス氏の指揮の下に、低コストのLinuxサーバ上で稼働する、独自のオープンソースの図書管理ソフトウェア「Evergreen」の開発を開始した。

 またもう1つ、ITマネジャーの上司に製品を売り込むことは避けるようにしようという観点から言っておくと、「ノー」といわれたら「ノー」なのであり、購入決定者に製品の購入を拒否されたからといって、その上司に訴えるのも良くないということを忘れないようにしよう。ラジュネス氏によると「IT担当者が優秀であるならば、その上司はあなたではなくIT担当者の意見を聞く可能性が高い」という。セントラル・ミズーリ大学の電子サービス司書であるジェニー・エマニエル氏は、同氏が製品を購入しないことを決めた後、「わたしが彼らの製品を検討するのを怠けてきちんと業務をこなしていないと大学の学部長に訴えた」ベンダーがいたと述べた。学部長がベンダーを追い払うと、ベンダーは今度は教授陣から製品を売り込んでもらおうとしたという。その結果、同図書館が再びそのベンダーから何かを購入するようになるまでには、しばらくの時間がかかりそうだということになった(そしてそのためには明らかに、別の販売員が必要となるだろう)。

 営業電話が有効である業界もあるかもしれないが、この記事のために意見を聞いたITマネジャーたちは全員が、営業電話には良い印象を持っていないという点で意見が一致した。ITマネジャーが机に座っているとき、彼らはベンダーからの電話を待っているわけではない。彼らが机に座っているのは、ミーティング、システムの緊急事態、サーバ業務といった通常の仕事のあれこれの合間に、たまった書類を処理しようとしているからなのだ。そのため机に座ることのできる数分間は、彼らにとっては貴重な時間だ。みだりに邪魔をしないようにしよう。コネチカット州ダンベリー市立図書館で図書管理自動化を担当するケイト・シーハン氏は「向こうから突然電話をかけてきて、忙しいといっても離してくれない人たちには、敵意を感じてしまう」と述べた。通常は、郵便や電子メールや予約した上での電話の方が印象が良く、またその方が、ITマネジャーが製品についてと製品が彼らの組織にとってどう役立つのかという点に集中できるようになる。

 同様に、訪問についても必ず予約を行うようにし、突然立ち寄るのはやめるようにしよう。ITマネジャーとは、コンピュータ関連の予期せぬ危機を山ほど抱えることが仕事だといっても良いほどであり、予約なしの訪問はその仕事にさらに負担をかけるだけだ。当然ながらあなたも、あなた自身やあなたの製品のことを負担だとは思って欲しくはないだろう。カリフォルニア州サンマテオ郡立図書館の情報/Webサービスマネジャーであるサラ・Sarah ホウトンジャン氏は、「仕事場に突然現われて新製品を宣伝したいといい、会話を終わらせて帰ってもらう努力をこちらがどれほどしても貴重な1時間をわたしから奪おうとするのなら……わたしがその製品を買うことはないだろう」と述べた。

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