ベンダー必見:IT担当に売り込む秘訣Magi's View(3/3 ページ)

» 2007年07月23日 04時59分 公開
[K.G.-Schneider,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine
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 最高の売り込み文句は、質問であることもある。ペンシルベニア州ランカスター郡立図書館システムで情報技術サービスのマネジャーを務めるビル・ハドソン氏は、「最も印象に残るベンダーは、わたしの抱えるIT問題に対する興味を示してくれるベンダーだ」と述べた。ハドソン氏によると、最近訪問があったベンダーは「今何に取り組みんでいるのですか? 現在どのようなプロジェクトが進行中なのですか?」と聞いたという。ベンダーの側からこのような質問をすることにより「ベンダーは自分たちが提供するサービスの中から、わたしが抱えていたニーズに最も適したものに的を絞って話をすることができるようになった」とハドソン氏は指摘した。このようにベンダーが ハドソン氏のニーズに興味を示した結果として、同氏の場合は購入に至ったという。

 一方、売り込み文句が加熱するあまり、まったく逆効果になる言葉を使ってしまうこともある。テキサス州オースティン・コミュニティー・カレッジの図書館員であるエリー・コリア氏は「特にコミュニティーカレッジ用に特化した電子出版製品を宣伝していたベンダーが『われわれは小規模な出版社を狙っている』といった」という話をしてくれた。コリア氏は「小規模な業務に特化していることをアピールしているのではなく、小規模な出版社を潰そうとしているかのような印象を(そのベンダーから)受けた……やれやれ」と述べた。

 また、単にうっかり口を滑らせたのではなく、戦略的に間違っているということもある。また別の図書館員も、図書館員とITマネジャーに対してデータベースを宣伝していたベンダーについて話してくれた。「ベンダーは、『あなた方は、あなた方の蔵書リストに何が含まれているのか実際にはご存じないでしょうが……』というようなことを繰り返し言っていた。高価なデータベースを販売するための戦略として決して良いものではないだろう」。また、相手方のオフィスに出向いて説明する際には、相手の組織全体に対して宣伝しているのだということを忘れないようにし、ITマネジャーは自分の組織の味方であると考えよう。

 最後に、宣伝文句では実際には実現不可能であることを言わないようにしよう。これは製品についてだけでなく、フォローアップサービスについても言えることだ。シーハン氏は「ベンダーは購入後にも時々訪問するとか、質問があればいつでも電話して欲しいとか、そのようなあらゆる聞こえの良いことを常に言っていたのに、質問があって電話しても一度も電話が返ってこなかったことがあった。そのようなことが2、3度続いた後は、わたしたちは彼女が聞こえない周波数で留守番電話にメッセージを残したのかと思ってしまうほど、薄気味悪い気分になった」と体験談を語ってくれた。ITの世界では特に、ベンダーのサポート部門が提供するサポートの質を重視するため、サポートをおろそかにするのは大きな誤りだ。

 とは言え良い知らせとして、ITマネジャーは新しいものを購入したがる傾向がある、ということは確かなようだ。実のところ、新製品や新しいアイデアなどは歓迎されることが多い。そのため彼らの身になって考えることをすれば、売り上げを増やすことができるだろう。

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