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» 2007年08月03日 07時00分 公開

上司の壁と「シャドーワーク」:同世代でこれだけの差がつく――「プロデューサー」と「御用聞き」 (3/3)

[大西高弘,アイティセレクト編集部]
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プロデューサーの資質は後天的なもの

 上司のタイプについて、徳岡氏は次のように話す。

 「部下の行動のチェックが厳しい上司は、『社内調整型』であることが多いと思います。社内調整といっても、結局は部門、部署の壁の中にいて、何とか自分の属する部門、部署にとって得になるように動くわけですから、特になるのかどうかも分からないことに自分の部下を手弁当で参加させることは、あまり積極的ではない。ましてや、社外の人間と上下関係なく、手弁当のレベルでミーティングをしたり、プロジェクトを進めたりすることにどうしても抵抗感を持ってしまう。こうした上司に対して、うまく説得し、消極的ではあるけれども容認させることができるのは、ワークスタイルでいうと『プロデューサー型』しかいない」

 つまり、「プロデューサー型」の社員はコミュニケーション能力に優れた人材であるということだろう。

 徳岡氏はさらに続ける。

 「入社10年で、『御用聞き』もしくは『社内調整型』でいるのか、最初は『御用聞き』でも『プロデューサー型』に成長するかは、どういう上司の下で仕事を覚えたのかということが大きく影響します。『社内調整型』の上司の下で、見えない人間関係を把握して、自分の部門の得になることだけを考えて毎日働いていれば、自然と『社内調整型』になっていきます。ですから、ワークスタイル変革というのは、自らの自覚と努力で達成できるのです。後天的なものなのですから」

自称、「プロデューサー型」に足りないもの

 徳岡氏が説明してくれた、4つのワークスタイルは、現状のビジネスマンのタイプを単純に分けたものであると同時に、これから必要となる、最もパフォーマンスの高い仕事をする人材、つまり「プロデューサー型」の社員に自己変革するための指標だとも言える。

 注意しなければならないのは、「社内調整型」を抜け出せていないのに、自分を「プロデューサー型」だと思ってしまったり、「社外嗜好型」でしかないのに「プロデューサー型」と勝手に思い込んでしまうことだ。

 徳岡氏は次のように語る。

 「結局、社外の知り合いは多いのだけれど、いつも自慢をするだけ、社内の誰かにそうした自分の知り合いを引き合わせることもなく、仕事にも生かせない人っていますよね。単なる飲み仲間でしかなかったり。これでは社外のリソースを活用するというシャドーワークはできないのは当たり前です。それから社内の人間関係はよく分かっていて、調整もうまいが、結局は自分の得になること、自分の部署が楽になること、成績が上がることしか考えないと、そもそもシャドーワークに参加してくれる人がいないでしょう。『あいつの企みはお見通しだよ』と言われてしまう。そういう人はシャドーワークを立ち上げることからして難しい」

 正しい「プロデューサー型」社員として成長するにはどうしたらいいのだろうか。

 徳岡氏はこんな疑問に対して次のように話してくれた。

 「正しいことをする、それを心がけることではないでしょうか。部門、部署ではなく会社全体にとって正しいと思われること、さらに、消費者や顧客にとって正しいと思われること、そういうことをするのだ、というメッセージほど強いものはない。壁を一気に取り払うことは難しくても、説得するパワーにはなります」

 シャドーワークは孤独な作業ではない。だからこそ強いメッセージが不可欠なのだ。

月刊アイティセレクト」2007年9月号 特集「シャドーワークを使いこなすプロデューサー型社員を目指せ」より)

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