インターネット人口の多さがWeb2.0の原則として必須のもの。情報発信にはそれなりのモチベーションが必要であり、ごく小数が発信しても影響力がとても大きなものとなっている。しかし、これをそのまま企業内に当てはめてもうまく機能しないケースが多い。
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PCやオープンシステム、インターネットなど、企業はコンシューマーのIT変革として幾つものバズワードを取り入れてきた。クライアントサーバ、ダウンサイジングなどの企業情報システムはこのような影響も受けて生まれ変わってきたものだ。そして現代では、Web2.0の潮流を取り込んだ第四世代の企業情報システムとして「エンタープライズ2.0」が注目を集めている。
この記事では、エンタープライズ2.0が登場した背景と定義、そして、Web2.0を企業にどのように取り入れていくべきなのかを紹介しよう。
エンタープライズ2.0とは「Web2.0の文化やテクノロジーを企業の活動や企業情報システムに取り入れることによる大きなイノベーション」が起こる“可能性”の総称だと言える。また、IT業界にとっては「“2.0”というインパクトのあるものが出てきたのだから、これをうまく利用してIT業界を活性化したい」というバズワード(実体のない大義名分)でもある。
ちなみに、あまりにも多くの定義が存在し、かつあいまいな表現であることからか、今ではウィキペディアからは削除されている。
企業が取り込むことを前提に整理するとWeb2.0は以下の3要素で表現される。
上図で3つの輪が表しているのは、次の通りだ。
また、企業情報システムを考えた場合、既存の業務やシステムとの関係が不可欠となる。
ここで登場するのが「SOA」という潤滑油である。したがって、エンタープライズ2.0の方程式は、
エンタープライズ2.0 = Web2.0(コミュニティー+SaaS+シンプルでリッチなUI) + SOA
となるだろう。
前述した3要素の中で注目すべきコミュニティーについて考えてみよう。
企業の変革を支えるのは、間違いなく人とそのつながりであるが、Web2.0の世界でこの関係が利用される背景には、次のようなものが挙げられる。
これらをAjax化されたWebアプリケーションでWebブラウザやRSSリーダーから利用するのがWeb2.0の定義であろう。しかし、これらのツールを単純に導入して目的を達成できた企業は皆無に近い。
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