大規模グリッド環境でのスケールアウトは可能、NECと日本オラクルが実証

NECと日本オラクルは、NECのブレードサーバシステムを用いたスケールアウト構成のグリッド環境DWHシステムにおいて、ノード数に比例した検索性能の向上が実証できたと報告した。

» 2007年08月27日 22時59分 公開
[ITmedia]

 NECと日本オラクルは8月27日、NECのブレードサーバシステムを用いたスケールアウト構成のグリッド環境データウェアハウス(DWH)システムにおいて、ノード数に比例した検索性能の向上が実証できたと報告した。

 「Oracle GRID Center」において行われたこの検証作業では、NECのブレードサーバシステム「SIGMABLADE-M」にCPUブレード「Express5800/120Bb-6」を8ノード搭載、ストレージにiStorage Dシリーズ「iStorageD3-10」(147Gバイトディスク×10)を3台使用するシステム構成が用いられた。

システム構成図(Oracle GRID Centerのサイトより)

 同システム上でRed Hat Enterprise Linux 4 Update5 Advanced Serverを稼働させ、そこに「Oracle Real Application Clusters 10g」および「Oracle Database 10g」のCompress機能(データの圧縮によって、データ格納効率の向上と高い検索性能を実現する機能)」を用いたDWHシステムを構成した。なお、今回の検証環境では、大規模な表にはすべてCompressを使用、最大50%のサイズに圧縮されている。

 今回の検証の最大の目的は、Oracle Database 10gが持つInternode Parallel Query機能がRAC環境においてリニアなスケールアウトを実現するかどうか。Internode Parallel Query機能は、1つのSQLを複数のプロセスに分割し、複数ノード(筐体)で並列実行する機能で、Parallel QueryをRAC環境上の複数ノードで並列実行したものだと言える。この機能が有効に動作すれば、RACでノード数に比例した機能向上が期待できることになる。

 合計で1Tバイト分のデータを投入して行われた同検証の結果として、8ノード構成時のパフォーマンスは1ノード構成時と比べて7.69倍というほぼリニアな高速化を実現した。このことは、小規模構成からスタートし、システムの規模に応じて適宜サーバを増設、大規模DWHシステムまで柔軟に拡張できることを意味する。

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