恐怖の停電対応で男子更衣室に侵入!?女性システム管理者の憂鬱(2/4 ページ)

» 2007年08月29日 07時00分 公開
[高橋美樹,ITmedia]

 わたしがシステム管理者になりたてのころは、停電に対する悪いイメージがあるはずもなく、総務担当者に10日後の週末にビルの停電があることを知らされても、自分が何をすればいいのかさえピンと来ない状態だった。慌てて、ほかの拠点を管理する先輩社員に何をすればいいのかを聞いてみたところ、ユーザーへの周知と、監視担当者にサーバの停止を連絡する必要があると教えてくれた。

 指示通り、わたしは拠点サーバの監視を行う中央の運用チームに停電のスケジュールを知らせた後、自分の管理する拠点のユーザー100名に対しては、停電当日は全館立ち入りが禁止されるため、前日の夜にファイルサーバやグループウェアサーバを停止すること、個人のPCも必ず終了し電源を抜いておくことなどの注意事項を周知した。

 事前の連絡もあり、停電前夜は大した混乱も起きなかった。周知した時間にサーバを終了すると、各部屋を回ってプリンタやFAXの電源を抜き、すべてのクライアントPCが終了して電源も抜かれていることを確認した。後は、月曜日の朝にサーバを立ち上げるだけだ。始業は午前9時だが、8時ごろに出社する社員もいるため、それより前の7時には出社する必要がある。早起きは気が重かったが、ほかには何のトラブルもなかったため、わたしの中には「なんだ、停電対応なんて大したことないじゃないか」という甘い考えさえ生まれた。

普段の些事が束で襲いかかる

 そして迎えた月曜の朝。朝6時台には出社し、停止していたサーバの電源を入れる。全部で5台。ほとんど常時稼働させているサーバばかりだったので、立ち上げの間は起動画面を物珍しげに眺めていた。

 次々にログイン画面が表示されていく中、1台だけ青い画面のままのサーバがあった。当時でも珍しいWindows NT 4.0が載ったそのサーバは、DATが壊れており、ファイルの容量も10GBに満たないものだったが、予備のファイルサーバとして一部の部署が使用していた。わたしが配属される前からその拠点にあったその古いサーバは、電源を入れ直しても立ち上がる気配さえ見せなかった。

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