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» 2007年08月31日 07時00分 公開

シャドーワークと問題解決手法:「ブログで一発当ててやろう」はメッセージにならない (1/2)

報酬の有無に関係なくプロジェクトの参加者を夢中にさせ、シャドーワークを成功させるには単なる数値目標はあまり役に立たない。メッセージを伝えることが大切なのだが、そこには個人が確立した理念という背景が必要だ。

[大西高弘,アイティセレクト編集部]

本記事の関連コンテンツは、オンライン・ムックシャドーワークを使いこなすプロデューサー型社員を目指せでご覧になれます


 企業内のフォーマルな組織やプロジェクトではなく、それらに縛られないインフォーマルな集団の独自活動をシャドーワークと呼ぶ。最近注目されているこのワークスタイルは、自発的に社内外のネットワークを駆使して問題解決を目指すものである。従って、シャドーワークは外部からコントロールしにくい。組織として表立って認知するものではないからこそ、いい意味での「遊び」が生まれ、それが好結果に結び付くことが多いからだ。参照記事

シャドーワークの最終目標は?

 シャドーワークを成功させる人は、スタイルとして社内外のあらゆるネットワークを使う。基本的に無報酬であるシャドーワークに喜々として参加し、仕事をこなしていくスタッフを集めるには、リーダーの「想い」への共感が必要になる。参照記事

 リコーのデジタルカメラ「GR DIGITAL」のプロモーションのために立ち上げた「GR BLOG」は05年8月末に公開されたと同時に大きな反響を呼び、ビジネスブログの成功例としても注目された。まだ製品そのものが発売される前に、トラックバック受信制限数を超えてしまう事態になった。この成功の影には、パーソナルマルチメディアカンパニーICS事業部 商品企画グループ リーダーの野口智弘氏のシャドーワーク的なプロジェクトの運営があった。

 表面的にこのブログによるプロモーションの成功要因を上げてみると、(1)プロモーションにブログを使ってみようというメンバーの進言があった、(2)リコーの別部隊で「ブログ活用」を研究するワーキンググループの存在を知った、(3)リーダーである野口氏がシャドーワークに参加するメンバーそれぞれの上司に、細かな報告を継続的に行い、次第に認知度を上げていった、(4)社内の写真愛好家が「GR DIGITAL」を使って自らブロガーとしてプロジェクトに参加し続けてくれている、といったことがあげられるだろう。

 リコーのこの事例における、最終目標は何かということを考えると、それは、「GR DIGITAL」のプロモーションをできれば最大の効果を持って、継続的に行うことだ。このケースでの問題解決とは、「製品のプロモーション効果の最大化」である。そして野口氏を中心としてシャドーワークの参加メンバーは、その課題をクリアしたわけだ。

 では、プロモーションにはブログを使い、他の社内プロジェクトを探して連携を図り、各メンバーの上司に対する気遣いを忘れず、手弁当で参加してくれるメンバーをより多く見つければ、どんなプロモーションも成功するのか、というと、それほど甘くはないことは誰にでも分かるだろう。

 「成功に最も必要なエッセンス」は何だったのか。それはリーダーである野口の「気軽に楽しめるスナップ写真の撮影は、それだけで立派な自己表現だ」という「想い」であり、それがメンバーの共感を生んだということなのだろう。

リコー パーソナルマルチメディアカンパニーICS事業部 商品企画グループ リーダー、野口智弘氏
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