Slashdot Japanはどうなる? OSDN事業部がサンブリッジの100%子会社に

VA Linux Systems Japanは、Slashdot Japan、SourceForge.jp、Open Tech Pressの3サイトを運営する同社のOSDN事業を分離、サンブリッジの100%子会社であるOSDN株式会社に譲渡したことを明らかにした。代表取締役社長は佐渡秀治氏。

» 2007年09月03日 15時59分 公開
[西尾泰三,ITmedia]

 VA Linux Systems Japanは9月3日、Slashdot Japan、SourceForge.jp、Open Tech Pressの3サイトを運営する同社のOSDN事業を分離、2007年9月1日付けでサンブリッジの100%子会社であるOSDN株式会社に譲渡したことを明らかにした。新たに株式会社となったOSDNの代表取締役社長には、ITmediaでもおなじみの佐渡秀治氏が就任している。

 思い起こせばOSDN事業部が2001年5月にSlashdot Japanを立ち上げてから6年が過ぎた。VA Linuxは当時、日本におけるオープンソースソフトウェアコミュニティーの基盤整備を手掛けることが、結果的に自社が依存するオープンソース市場の拡大につながると考え、OSDN事業を手掛けていた。

 VA Linuxの読み通り、オープンソース市場が拡大した昨今、同社の本業であるソフトウェアテクノロジーを基盤とする事業は順調に成長した。しかし一方で、OSDN事業部もまた、数名の常勤スタッフをおけるまでに成長していた。VA Linuxにとっては、OSDNを内部に抱えている必要性も薄くなっていたこともあり、1年半ほど前から今回の発表につながる動きが進められていた。

 ベンチャーキャピタルであるサンブリッジの100%子会社となったOSDNだが、どうやらすぐにIPOに向けた動きをするわけでもないようだ。佐渡氏は、「少なくとも数年は急激な成長よりも、まず安定的な収益基盤を形成することを目指す」と話している。また、その資本関係も、今回はサンブリッジのテクニカルな事情によって100%となっているようにも見られるが、今後の情勢いかんではほかの資本が入ってくることもあるだろう。

 そして気になる3サイトの今後だが、上記の佐渡氏の言葉を見る限り、収益を出すための急激な変化はすぐには起こらないと考えられる。とは言え、OSDNの収益基盤を確保するためにこれらのサイトをより強大にしていこうとすることは間違いないだろう。特にSlashdot Japan、SourceForge.jpについてはゆるやかな変化が今後起こっていくと予想される。

 なお、事業は分離・独立したが、OSDN事業部に所属していたメンバー3名は全員が新会社へ転籍しており、サービス運営上への影響はほとんどないとみられる。

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