「モバイル接続でファイル共有を95倍高速化」――リバーベッドがWAN高速化ソフト(1/2 ページ)

WAN高速化製品はモバイルの分野にも適用範囲を広げつつある。リバーベッドはモバイルPC用のWAN高速化ソフトをリリース、競争が激しくなりつつあるモバイル分野で攻勢をかける。

» 2007年09月07日 16時04分 公開
[井上猛雄,ITmedia]

 ここ1、2年、WAN高速化/最適化のテクノロジーやソリューションが注目を浴びている。企業を取り巻くIT環境が大きな変化していることが大きな原因だ。社員がアプリケーションをWAN越しに利用する形態が普及し、リモート拠点から本社にアクセスして活用するケースが増えてきている。また、企業の拠点に分散された情報リソースを一元化する動きもあり、拠点ごとに保持していたサーバやストレージなどを統合して、一元的に管理しようという試みも始まっている。

モバイルワーカーにもWAN高速化を

 そのような中で、特定の業務アプリケーションへのアクセスに時間がかかったり、トラフィックの集中によりシステムに大きな負荷がかかるようになってきた。またグローバルでビジネスを展開するような企業では、製造拠点や営業拠点が海外にあり、回線速度の遅延も問題になっている。そこで、業務の効率性をトータルに高めるソリューションとしてクローズアップされてきたのが、WAN高速化/最適化の技術だ。その主な目的は、現状のWAN回線で問題となる遅延を小さくし、パフォーマンスの限界を引き上げることで、データ転送や各種アプリケーションの利用を改善することにある。

 WAN高速化を支える技術には、通信プロトコルの最適化、データ圧縮、キャッシング、帯域幅管理(QoS)などが挙げられる。国内では、これらの技術をベースに、ジュニパーネットワークス、F5ネットワークス、リバーベッドテクノロジー、パケッティア、ブルーコートシステムズなど数社が、拠点間に対向で配置する専用アプライアンスを提供している。

 従来、WAN高速化/最適化ソリューションベンダーは、企業の拠点間での回線速度の向上を目的に展開を図ってきた。これらに加えて、最近ではモバイル環境にも対応するソリューションを提供する動きも出てきた。すでにモバイル分野では、パケッティアが「Mobiliti」、ブルーコートが「Blue Coat SGクライアント」などのWAN高速化ソリューションを提供しているが、拠点間の専用アプライアンスで大きなシェアを持つ独立系専業ベンダーであるリバーベッドテクノロジーもその1つ。

画像 WAFSやアプリケーションプロトコルの最適化の機能を持つSteelhead Mobileソフトウェア

 同社は、WAN越しのWindowsファイル共有を高速化する、いわゆるWAFS(Wide Area File Service)だけではなく、未対応のプロトコルであっても、回線の帯域を空けることで総合的にデータの通信速度を向上できるアプライアンス製品「Steelheadシリーズ」のラインアップを幅広く取りそろえてきた。TCPのWindowsサイズ拡張、トランザクション予測などの技術や、独自のキャッシュ機能である、データを細切れにして装置間で同期させて参照データを保存する「拡張参照機能」(SDR:Scalable Data Referencing)などが同シリーズの大きな特徴となっている。SDRは、データ転送時に同じようなデータがあれば、差分データのみをLZ圧縮して転送する機能だ。

 同社は、このSteelheadアプライアンスとほぼ同等の機能をソフトウェアに実装し、ノートPCによるモバイル環境でLAN並みのアプリケーション通信性能を実現するWindowsソフトウェア「Steelhead Mobile」を9月4日に発表。モバイル分野では後発ながら、市場開拓に向けて一気に攻勢をかける構えだ。

モバイル接続でLAN並みの速度を実現

 今回同社がリリースしたSteelhead Mobileは、前述のWAN高速化技術を、ソフトウェアとしてクライアント側に提供するもの。米Riverbed Technologyのポール・セラーノ氏(APAC/Japan担当シニアマーケティングディレクター)は、「Steelhead Mobileでは、実績のある既存技術を実装した。在宅での勤務や外回りの多い企業、小規模オフィス、移動を中心とする仕事に従事するワーカーに向けて、モバイルソリューションを新規マーケットとして拡大していきたい」と説明する。

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