Intel、IDFでエンタープライズ戦略を明らかに

Intelでは、優れた管理機能や仮想化機能を備えたプロセッサを提供する予定だとしている。

» 2007年09月21日 06時30分 公開
[Scott Ferguson,eWEEK]
eWEEK

 カリフォルニア州サンタクララに本社を置くIntelは、一連のイノベーションを企業ユーザーに提供する準備を進めている。

 9月18日にサンフランシスコで開幕した「Intel Developer Forum(IDF)2007」において、Intelのデジタルエンタープライズ部門のパット・ゲルシンガー上級副社長兼ゼネラルマネジャーは、同社が来年に発表を予定している各種の新技術を紹介した。

 中でも注目されたのは、Intelが数社の大手ベンダーとともに「USB 3.0 Promoter Group」を結成し、USB接続技術をさらに高度化したバージョンを開発するという発表だ。この新グループにはIntelのほか、Hewlett-Packard、Microsoft、NEC、NXP Semiconductors、Texas Instrumentsが参加している。

 同グループの目標は、USB 3.0技術を推進することである。同技術は、USB 2.0の10倍のI/O帯域幅を提供する見込みで、下位互換性も備える。USB 3.0のI/Oインタフェースは光学および銅線ベースのインターコネクトもサポートし、優れた電力効率を実現する。

 ゲルシンガー氏は、vPro技術の拡張に向けたIntelの取り組みについても語った。vProは各種のチップやハードウェアを組み合わせた技術で、企業が保有する多数のPCの管理とセキュリティ維持を容易にする。デスクトップ向けvProの最新バージョンは8月に登場した。ゲルシンガー氏は、このプラットフォームに関するIntelの将来計画を明らかにした。

 新しいvProプラットフォームは「McCreary」と呼ばれ、2008年に市場に投入される予定だ。McCrearyには、Intelの新しい45ナノメートルチップである「Penryn」ファミリーのデュアルコア/クアッドコアプロセッサ、そして「Eaglelake」と呼ばれる新チップセットが含まれる。Intelが取り組んでいるグリーン構想の一環として、Penrynプロセッサでも鉛とハロゲンは使用されない。

 新vProプラットフォームには、統合型「Trusted Platform Module」および新しいデータ暗号化技術「Danbury」も含まれる。Danburyはハードウェアに直接組み込まれる。

 ゲルシンガー氏はさらに、45ナノメートルプロセスを採用するIntelの次世代プロセッサアーキテクチャ「Nehalem」に関する補足説明も行った。同社のポール・オッテリーニCEOはオープニングキーノートで、Nehalemアーキテクチャのメリットについて語った。一方、ゲルシンガー氏は、同アーキテクチャの実動モデルは2008年に登場する見込みだと語った。同社は2009年に、32ナノメートルの製造プロセスを採用した新プロセッサでNehalemアーキテクチャを採用する予定だ。

 Nehalemアーキテクチャに関してIntelが行った最も重要な発表は、統合型メモリコントローラを組み込んだ同社の「QuickPath Interconnect」システムアーキテクチャに関するものだった。Intelは以前にも統合型メモリコントローラを搭載したチップを開発したことがあるが、ライバルのAdvanced Micro Devicesは、2003年のOpteronプロセッサの登場以来、統合型メモリコントローラを採用している。

 またゲルシンガー氏はキーノートスピーチの中で、さらに多くの仮想化機能を自社のプロセッサに組み込むという計画についても述べた。その内容は、同氏が今月に「2007 VMworld」カンファレンスで行った説明とほぼ同じだった。

 Sun Microsystemsのシステム部門のジョン・ファウラー執行副社長も演壇に上り、同社とIntelとの関係について述べ、両社は共同でSunのサーバおよびSolaris OSに仮想化機能を追加する計画であると語った。

 さらにファウラー氏によると、Sunは近いうちにIntelのアーキテクチャをベースとした数種類の新システムをデビューさせる予定だという。両社は長年にわたって非協力的な関係にあったが、今年、新たな提携を結ぶことで合意した。

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