若者の75%が無気力――上司の気力にも不安が人心掌握の鉄則(1/2 ページ)

モチベーションは「やる気」などと意訳されるが、その本質とは何なのだろう。それが少しでも理解できれば、それを維持向上させる方法も見えてくるかもしれない。

» 2007年10月01日 07時57分 公開
[アイティセレクト編集部]

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本当にやる気があるのか?

 何人かの部下を抱えて仕事を続けていれば思わずそう言ってしまいたくなるような場面、部下に出くわすものだ。特に大きな支障があるように思えないのに、なぜか一向に働く気持ちが伝わってこない。

 しかしここでしびれを切らして怒ったり、非難してはいけない。それは決して部下の行動を改善する結果にはつながらない。それどころかむしろ逆の結果を招くのがオチだろう。

 2005年、野村総合研究所が上場企業の20代から30代の正社員を対象に「仕事へのモチベーションに関する調査」を行った。1000サンプルにも及ぶデータの分析結果は驚くべきものだった。なんと75%もの若者が現在の仕事に無気力を感じているという。

「仕事へのモチベーションに関する調査」野村総合研究所

 やる気さえ高ければ、スキルや経験がなくても教えることで本人も成長する。何とでも対応は可能なのだ。しかしやる気が見えない、モチベーションが低いとなると話は難しい。どんなに技術やノウハウを教えても当の本人がそれを学ぼう、理解しようという気持ちが低ければ成果は上がらない。

 モチベーションとはある意味個人的な精神的資質や問題と密接に関わっている。表面だけ見ていたのでは、モチベーションの低い理由がなかなか分かりにくい。だからこそ上司はこのような部下を見るとイライラし、「なぜやる気にならないんだ!」という怒りや、果ては「俺の下で働くことがそんなにいやなのか」という敵対意識まで抱くことになってしまう。そしてそれはさらに両者の溝を深め、部下のモチベーションをより下げてしまう悪循環に陥ってしまうのだ。

 実はそんな部下を非難する上司も、果たしてどれだけモチベーションが高いか怪しいものがある。アメリカの世論調査会社ギャラップの調査によると、会社への帰属意識や仕事への熱意を、日本、米国、カナダ、ブラジル、フランス、ドイツ、中国など計10カ国で調べたところ、なんと日本は最下位という結果になった。かつて勤勉でならしたわが国はいまや世界で最も「やる気のない」国民に成り下がってしまったのである。

 そもそもモチベーションとは何なのか?

 人はどういうときにモチベーションを感じるものなのか?

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