Webサイトのビジュアルリッチ化が進み、ビジネス現場においてもRIAの普及が広がりつつある。Webアプリケーションの開発を進めるマイクロソフトが取った戦略とは……。
RIA(リッチ・インターネット・アプリケーション)とは、旧マクロメディア(現アドビ システムズ)が提唱した、ビジュアルリッチなインタフェースを持ち、インターネットを介して提供されるアプリケーションの総称だ。そのRIAの解釈の仕方が広がり、今後のWebアプリケーションのあり方が大きく変わろうとしている。
AjaxをはじめとするWebページのリッチ化が進み、API公開によるマッシュアップやオープンソースの一般化など、Web2.0の概念がビジネスの現場でも求められるようになった。それをより使いやすいWebアプリケーションの延長で提供することが、RIAの新たな本質といえる。そのRIAの普及が、大手を中心に広がりつつある。
マイクロソフトは、「ユーザーエクスペリエンス」(UX)をアプリケーション開発における重要なファクターとしてとらえ、そのUXを再現するためのテクノロジーとして「.NET」ベースのクロスブラウザ/クロスプラットフォームで表現するプラグインの「Silverlight 1.0」を開発。9月4日に完全版をリリースした。
同社は、Silverlightを次世代のRIAを実現するものと位置付け、「インターネットエクスプローラ」や「ファイヤーフォックス」、「サファリ」の各ブラウザを通じてコンテンツを流通させている(「オペラ」は計画中)。
従来のRIA開発では、アドビ システムズの「Flash」がメジャーなツールとなっていて、その使い手は一般にクリエーターやデザイナーたちだった。Webアプリケーションにはサーバサイドとのリンクというインタラクティブ性に特徴があり、その開発はデザイナーよりプログラマーが得意とする分野。彼らは、UXのデザイン部分をさほど重要視しない傾向がある。あるいは、そこまで手が回らない場合が多い。
そこで、Silverlight向けコンテンツの開発環境では、プログラマー向けの「Visual Studio」だけでなく、デザイナー向けに「Expression Studio」も用意した。これにより、プログラマーは成果物の見栄えを進化させることが、デザイナーはデータベースを効果的に利用することが、それぞれ可能になるという。
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