牙城を切り崩せるか? 2大勢力のDBサバイバル競争が激化(2/3 ページ)

» 2007年10月03日 07時00分 公開
[松岡功,アイティセレクト編集部]

 11gは10月23日にまずリナックス版が出荷され、今年内にUNIX版やWindows版も出揃う予定。同社では11gの出荷に際し、パートナー企業とともにさまざまなハードウェア構成での動作検証を行い、新機能を活用した構築や運用の手法を確立した上で顧客に提供していく計画だ。

 その結果として、1年後には11gの出荷をOracle Database全体の50%以上に引き上げたいとしている。ちなみに前版の10gのときは、1年後の出荷比率が30%程度にとどまっていた。

 さらに市場のパイを拡大していくため、メインフレーム上に構築された旧来のシステムからの置き換えに力を入れていく構えだ。

マイクロソフトは新たな拡販策を発表

 一方、マイクロソフトは9月4日、来年を予定しているデータベース管理ソフトの新版「SQL Server 2008」の発売を見据えた販売戦略を発表。記者会見で説明に立った五十嵐光喜サーバープラットフォームビジネス本部業務執行役員本部長は、「エンタープライズ市場への取り組みや、ビジネス・インテリジェンス(BI)市場への取り組みなどを強化することで、今後3年間でSQL Serverの売り上げを倍増させたい」との意気込みを語った。

 とくに同社がこれまで以上に注力しようとしているのは、エンタープライズ市場で強いOracle Databaseからの移行促進を図ることだ。会見ではその具体策として、1)Oracle Databaseの認定資格である「ORACLE MASTER」取得者にSQL Serverの認定資格を取得してもらう、2)競合製品からの移行であればSQL Serverを半額で販売する、3)Oracle Databaseからの移行ツールを無償で提供する、4)SQL Serverのコンサルタントを倍増して120人体制にする――といった取り組みを行うことを明らかにした。

 マイクロソフトの新たな販売戦略は、日本オラクルが満を持してメジャー・バージョンアップ製品の11gを投入したタイミングを見計らっての動きであることは明白だ。

 11gの勢いにブレーキをかけるとともに、来年のSQL Server 2008発売に向けて弾みをつけようという同社の思惑が、果たしてどれだけ奏功するか、大いに注目されるところだ。

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