ボックスだけでなくサービスを――デルはサーバ仮想化ソリューションを強化

デルは、サーバ仮想化ソリューションに関する戦略発表を行った。“脱ボックス”に向けて、同社が提供するソリューションサービスとは……。

» 2007年10月10日 16時47分 公開
[伏見学,ITmedia]

 デルは10月10日、都内でサーバ仮想化ソリューション戦略について会見を行い、よりいっそうサービスを強化していくと説明した。

 「デルはボックスだけではなく、サービスまでをワンストップでユーザーに提供したい」――デルのソリューション・サービス本部、本部長である諸原裕二氏は、企業ビジョンについてこのように説明した。同社はこれまで主にPCやサーバなどのハードウェア製品を市場に投入してきた。今後は単に製品提供するだけでなく、導入時の設計から運用トレーニングに至るまで、トータルサービスの提供を強化するという。これがサーバ仮想化ソリューションの根底にある。

ソリューション・サービス本部の諸原裕二本部長 デルのサーバ仮想化サービスについて説明するソリューション・サービス本部の諸原裕二本部長

 サーバ仮想化ソリューションに対する製品戦略として、既に販売されているサーバ「PowerEdge 2970」および「同6950」には、AMDクアッドコアプロセッサが搭載された。これによって高速処理や消費電力低減を実現した。サーバ本体は最大64Gバイトメモリや最大4.5TバイトHDDなどをサポートし、サーバ仮想化に最適な環境が用意された。

 パートナー企業として登壇した日本AMDのエンタープライズビジネスデベロップメント本部、本部長である多田和之氏は「クアッドコア AMD Opteron プロセッサは仮想化に最適な『AMD Virtualization(AMD-V)テクノロジー』を採用している。AMD-Vテクノロジーをさらに拡張した『Rapid Virtualization Indexing』は、仮想マシン同士の切り替えを高速化し、従来と比べ性能を23%向上させる一方で(下図参照)、ゲストOSのオーバーヘッドを約3分の1に削減する」と語った。

「AMD-Vテクノロジー」と仮想化「Rapid Virtualization Indexing」の性能について(AMD資料より) 「AMD-Vテクノロジー」によって最適なサーバ仮想化環境を構築する

 仮想化ソリューションサービスについては、ユーザーに適切なアドバイスやVMware環境設計などを行う「キャパシティプランサービス」「設計サービス」、ゲストOSの導入やストレージ統合などバックアップ環境を構築する「導入サービス」、VMware実装や運用を行う「トレーニングサービス」のメニューを用意する。諸原氏によると「中でも特に重要なのがキャパシティプランサービス。ユーザーが仮想化対象となるサーバ環境を把握していないケースが多いため、同社が仮想化に必要なリソースを判断し適切なアドバイスを提供している」という。

 今後はキャパシティプランサービスを強化するとともに、設計からトレーニングまで一貫したサービスを提供する方針だ。また、VMware認定技術者(VCP)を増員することで、短期間でユーザーの目的に沿った仮想化環境構築に対応する。

 新たな仮想化サーバ製品は年内に出荷する予定。新製品はVMwareの組み込み型仮想化ソフトウェア「VMware ESX Server 3i」がプリインストールされる。

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