「カリフォルニア山火事で活躍」「粘土細工のように3D作成」――グーグル、地図サービスを拡充

グーグルは10月30日、地図関連サービスのバージョンアップを明らかにした。「カリフォルニア山火事で活躍」「3Dモデルを粘土細工のように作る」といった特徴を持つ新サービス群とは……。

» 2007年10月31日 07時00分 公開
[藤村能光,ITmedia]

 グーグルは10月30日、GoogleマップとGoogle Earthに新たな機能を追加したことを明らかにした。地図サービスを展開する企業がひしめく中、「いろんなサービスがあっていい、競争相手がどうというよりもグーグルならではの地図サービスを提供していく」(同社プロダクトマネジャー 河合敬一氏)という同社。地図関連の新サービスとは一体どのようなものなのか。

 なぜグーグルが地図ビジネスに乗り出すのか。その答えは世界で最も広範囲で役に立つ世界地図をネット上に作ることにある。そのために質の高い最高のベースマップを作り、この地域に住んでいる人がその場所について知っていることを共有するためのツールを提供し、ユーザーの情報提供を活性化させることを狙いとする。「世界中の情報を体系化し、アクセス可能で有益なものにする」――グーグルの使命を表したこの文言を、地図ビジネスにおいても忠実に再現しているといえる。

カリフォルニアの山火事でも活躍したマイマップに新機能

 Googleマップ上で情報を共有できるサービス「マイマップ」は2007年4月に公開された、テキスト情報に加え、写真や映像といったリッチテキストを差し込むことができるマイマップは、レストランやバーといったフードマップの作成などに活用され、すでに全世界で400万ものマップが存在する。

 このほどカリフォルニア州で発生した山火事では、地元の小さなラジオ局が、火事の発生場所や安全地帯を詳細にリポートしたマイマップを公開したり、日本では新潟中越沖地震の際に、避難場所や震源地、被害の大きい場所といった情報をマイマップで共有するといった活用例が見られたという。

image マイマップを活用することで、誰もが地理的な最新情報を得ることができる

 「Googleマップでは人が大切。すでに400万ものマイマップを作成した人たちがいて、その人たちを軸に情報を共有できれば」――上記の事例を基にした新サービスが、同日よりGoogleマップに追加された「プロフィール機能」だ。この機能はユーザーごとのマイマップを一覧表示できるほか、投稿したレビューやマイマップ作成者のプロフィールを見ることができる。プロフィール画面を基に、質の高いマイマップを探すことが可能となる。

宇宙のベースマップにYouTube動画を挿入

 2007年8月に提供開始した「Google Earth」で宇宙の高解像度画像を見られる「Google Sky」が、このたびコンテンツの日本語表示や日本語検索にも対応した。地理情報を登録したYouTube動画をベースマップのコンテンツとして登録すると、その場所に応じた映像や写真を表示できる。

image 宇宙のベースマップに写真や映像を付け加えることができる

粘土細工のように3Dモデルを作るサービス

 「粘土細工のようにのばしたり、切ったり、くっつけたり」――グーグルが同日にリリースしたGoogle Earth上に表示できる3Dモデルを作成するソフトウェア「Google SketchUP 6」のインタフェースを端的に説明したものだ。SketchUPは、円や平面といった平面図形をマウスドラッグで伸ばしたり縮めたりすることで、「こうしたらこうなるかもしれないという自分の頭の中のイメージを3Dとしてデザインできる」のが特徴。

image SketchUPは「新郎が3Dイメージのモデリングに夢中になり新婦をほったらかしにしてしまうといった“新婚家庭を破壊”するサービス」「6歳の女の子が書いた飛行機の3Dモデルが本物の飛行機設計者をうならせた」――といった逸話を持つという

 グーグルは3Dイメージのデータベース「3Dギャラリー」を公開している。掲載されている3DデータをGoogle Earthに取り込んだり、SketchUPで作成した3Dデータをギャラリーにアップロードすることも可能だ。

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