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» 2007年11月15日 10時00分 公開

ネットワークで社会に変革を起こしていくシスコ

 ネットワークが、単なる情報の伝達路から情報とアプリケーションやサービス、さらには人と人とを結びつけるものへとその役割を変化させてきている。こうした変化に対応すべく、ネットワークはどのように変わっていけばよいのだろうか。統合的なネットワークソリューションを提供しているシスコの篠浦文彦ビジネス開発ディレクターに聞く。

[PR/ITmedia]
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シスコシステムズ合同会社 ビジネス開発 ディレクター 篠浦文彦氏 シスコシステムズ合同会社 ビジネス開発 ディレクター 篠浦文彦氏

ITmedia 今日では、ネットワークが単なるデータのパイプから、さまざまなオブジェクトをつなぎ合わせるインフラの中枢へと変わってきています。シスコではこうしたネットワークのあり方をどのように見ているのでしょう。

篠浦 インフラとしての次世代ネットワークの姿については、シスコが描く姿の一つに「ヒューマンネットワーク」があります。これは「ネットワークをプラットフォームとして新しい体験を人々にもたらす」というビジョンです。その具体的な技術例としてあるのが、「Cisco TelePresence(テレプレゼンス)」という、空間を共有するような臨場感のあるテレビ会議システムです。このソリューションは、テレビ会議を高精細のハイビジョンで行うというだけでなく、等身大のサイズでかつインテリアのデザインまでもその一部へ取り込むことで、距離を超えてリアリティを実現するものです。人があたかもそこにいるかのような感覚でコミュニケーションを行えるよう、しぐさや駆け引きといったものをネットワークを通じて再現することを可能にしています。会議のための移動が必要なくなるので、環境にもやさしくエコロジーです。

 従来、こうしたテレビ会議システムを実現するためには、高額な専用のハードウェアとネットワークを駆使してシステム構築をしなければなりませんでした。ネットワーク提供者のわれわれとしては、こうした専用の回線や機器というものを使うことなく、一般的なインフラを用いて同じものを実現したいと考えています。つまり、一般的なインフラがこうしたファンクションを自ら持つようにしたいのです。インフラがテレビ会議の付加的なバリューを提供できるようになれば、エンドポイントはビデオカメラといった汎用の機器を接続するだけで、高度なソリューションを利用することが可能になります。今までテレビ会議システム側で備えていたような映像補正機能などが、ネットワークに内包されるのです。QoSやセキュリティといったものも、すべて取り入れられた形でネットワークが存在するのです。

 こうしたときにネットワークは社会的にどのような位置づけになっているのでしょうか。今までは機器と情報を結びつける単なる通路でした。それが、社会のプラットフォームとしてのネットワークへと変貌する。これが、われわれの考えるネットワークの新たな形です。

ITmedia 今回のORF2007では、竹中平蔵氏(慶応義塾大学 グローバルセキュリティ研究所所長)と村井純氏(慶應義塾 常任理事)、そして宇宙飛行士の毛利衛氏(現・日本科学未来館館長)の対談で、このシステムが使われるのですか?

篠浦 日本科学未来館とORFの会場である六本木ヒルズを、高解像度映像の双方向中継で結びます。画像伝送については同じ技術が使われていますが、テレプレゼンスとは異なるシステムです。テレプレゼンスを実現する為にはクリアしなければならないポイントがいくつか残っています。来年のORFで実現できたら良いですね。テレプレゼンスという仕組みを昨年10月に日本で紹介したときには、いち早く村井純先生にご体験いただきました。

 テレプレゼンスの利用方法はテレビ会議システムに限定されません。エンドポイントはいわばテレビカメラのあるスタジオになり、それがいたるところに生まれるわけです。これは非常に大きな可能性を持っているといえるでしょう。

 さらに、こうしたネットワークが発展していけば、情報の発信者と受信者の区別が薄れていきます。送り手と受けてという立場がダイナミックに変化することもあります。Wikipediaなどが好例ですが、これはマスコラボレーションとも呼ばれます。情報サービスのあり方や、さらには情報そのものがどのようにあるべきかが全体で変化していくようになります。それがマスによってさらに加速されると大きな変革が生まれ、ネットワークのみならず、社会の構造までも変えていくようになるでしょう。

ITmedia コラボレーションがネットワークを変えていくのでしょうか?

篠浦 シスコには「ネットワークですべてを変える」というビジョンがあります。生活や働き方、学び方遊び方をネットワークで変えていこうというものですが、その実現の可能性がどんどん大きくなっていることをわれわれは実感しています。

 シスコはネットワーク機器の会社というイメージが皆さんにはあると思います。そのほかにシスコができることを、ネットワークのより上位のレイヤーにまで関与を広げていこうと考えています。そのキーワードの一つがコラボレーションです。コラボレーションのあり方を、われわれの強みであるネットワークを中心に変えていきたいのです。

 もちろん、シスコがアプリケーションのサービスプロバイダーになるということはありません。しかしながら、ネットワークの新たな利用法を自ら具現化しながら広く伝えていく、ということをやっていくべきだと考えています。この点が今までのシスコと大きく異なるところだと私は思います。SNSプラットフォームを提供する会社などを含む最近の買収は、こうした機能もネットワークの中に取り込んでいこうとする試みの表れだと思ってください。「Cisco 3.0」への取り組みともいえます。

キーワードは「Web」

ITmedia ネットワークの変化は、そこにある「情報」にも影響を与えるのでしょうか。

篠浦 こうした変化を後押ししているのは、やはり「Web」という言葉でしょう。技術の分野でも、ビジネスモデルの分野でも、Webがキーワードとなっていろいろな変革が進んでいます。さらにあと数年でWeb3.0の時代がやって来るでしょう。そこではユビキタスが実現されるための技術も変革し、さらには情報の提供者や利用者の意識変革さえも行われることが重要な要素になります。

 Webという言葉の本来持つ意味のように、情報が縦横だけの連鎖ではなく蜘蛛の巣状に価値がつながっていくことが本当のユビキタスの世界であり、この価値連鎖をどのように起こしていくかについては、コンシューマーおよびビジネスの分野に関係なくインフラを作っていかなければなりません。シスコではこうした課題について、積極的に啓蒙活動を行っていきたいと考えています。慶應大学とのコラボレーションも、こうした活動の一部です。共同で行った実験や研究の成果を、実際に目に見えるものとして世の中に出し、効果を証明していくという活動になります。

 最近の中国やインドなどの大学では、産学連携にとても積極的です。単に共同研究を行うだけでなく、その成果をどのように利用していくかというところまで踏み込んでコミットするのです。産学の交流の仕方の進化形といえるでしょう。こうしたやり方を慶應大学とともに、これから日本でも進めていきたいと考えています。

ITmedia 具体的な活用法まで示すことが重要なのですね。

篠浦 昨年、米大リーグのOakland Athleticsと技術提携をしました。「Cisco TelePresence」の技術を使い、さらにSNSとも組み合わせることで、家庭で大リーグの試合を楽しみながら、離れたところにいる仲間とバーチャルパーティーを開くこともできるでしょう。こうしたことは技術的にすべて可能なことですが、サービスとして誰が提供していくのかということが課題でした。

 これまでのベンダーのアプローチは、「このインフラを使えばこれができます」というものでした。そうではなく、われわれがインフラを整え、サービスビジネスのコーディネートを行ってユーザーへ提供することが重要なのです。こうすることで、自ら変革の壁を乗り越え加速していくことができると信じています。

 慶応義塾大学は今年10月、全塾ネットワークを4年ぶりに更改し、有線系のネットワークすべてにシスコの最先端の機器とファイナンスプログラムを採用したという。新たな時代に向かって慶応とシスコは、未来を形作り常に変化をリードするあらゆる分野のリーダーを目指すという共通のビジョンを掲げている。両者はこうしたフィロソフィーを土台にしながら、社会のさきがけとなるような情報基盤の構築を共同で進めていくという。

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提供:シスコシステムズ合同会社、慶應義塾大学SFC研究所
企画:アイティメディア営業本部/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2007年11月30日