最近のスパムを見てみると、昔見かけた手法を使って新たな進化を遂げているものがある。三行広告風スパム、なんていうのもその一つだ。
スパムはアンチスパム製品群との戦いを日夜繰り広げている。となればおのずと進化をし続けなければ生き残れないので、いろいろと新種が登場する。どうでもいい話だが、スパムの語源がSPAM(Hormel社のランチョンミート)と「Monty Python's Flying Circus」のコント(どう言い繕っても違法動画なのでリンクは貼らないがYouTubeに動画が掲載されている)から来ているのは有名だが、そのSPAMも進化を遂げたようで、先日米国のとあるイベントに行ったら試供品を配っていた。
要するに従来缶詰だったSPAMをレトルトパウチにしたもので、1回分の85g(3oz)をそのままパンにはさんで食べられるというのがウリらしい(缶詰は4回分:12oz)。同時に「BOGO(Buy One Give Oneの略で要するに2倍買えるという米国ではよくあるプロモーション)クーポン」も手渡されたが、うっかりスーパーに行って買うとコント通り「spam,spam,spam……♪」になるので買わなかった。
経過報告になるが、10月の私設ハニーポットに届いたスパムは2035通で、うち2000通がYahoo!のメールフィルタでブロックされた。一方11月29日早朝段階で届いた11月のスパムは2376通で、ブロックされたのは2329通(遮断率は98%)。確実に11月は80通/日に到達するだろう。傾向としては海外スパムが増加した。
今回のテーマは「技術の変革とアイデアの流用」だ。シマンテックの11月のスパムレポートをナナメに見ていたところ、筆者が2年前に記事の中で「三行広告風(メルマガ)スパム」と言っていたものの英語版が出ているという。
手元のメールボックスを見ると、三行広告どころか一行で終了しているものもあり、これはスパムトラフィックが減りそうな気がするが、一方スパマーの観点で見るとこんな感じになるだろう。
この手のスパムではメールIDをきちんと把握している(≒本文にメールIDが明記されている)ものが多くなっていることからもそれが伺える(メールIDを記載するのは以前からも多いが)。本稿執筆の最終段階で届いた「私設ハニーポット」を見ると、お薬販売系とおぼしきスパムがフィルタをかいくぐって届いた。標準ヘッダを使って見ると、FromとToの名前が本文にも盛り込まれているし、メール本文も短くあっさり目の内容だ。NGワードとおぼしき「Cialis」を偽装して含ませているが、日本語フォントだとバレバレというかワケが分からず。しかしこういうメッセージだとフィルタをかいくぐりやすいのかもしれない。
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