Novellによると、MicrosoftのSilverlight技術のLinux対応版は6カ月以内に提供される見込みだ。
Novellでは、Microsoftのクロスブラウザ/リッチインターネットアプリケーション技術である「Silverlight」のLinux対応版を6カ月以内にリリースする予定だ。
12月5日にボストンで開催されたXMLカンファレンスにおいて、Novellで開発プラットフォームを担当するミゲル・デ・イカーサ氏は、同氏のチームはSilverlightがテイクオフしたときにLinuxが仲間外れにならないようにしたいと考えていると述べた。
「Silverlightが成功した場合に、われわれが置いてきぼりにならないようにしたい」とデ・イカーサ氏は語った。
Silverlightは、デスクトップおよび各種デバイスで広く普及しているAdobeのFlash技術への対抗を狙ったMicrosoftの技術である。
「われわれはFlashに対抗しているとは考えていない。わたし自身、Flashが好きだ」とデ・イカーサ氏は話す。「おそらくMicrosoftとAdobeは徹底的に戦うだろうが、それはわれわれの目標ではない。われわれの目標は仲間外れにならないようにすることだ」。
デ・イカーサ氏は、「Moonlight」と呼ばれるLinux版Silverlightに関するNovellとMicrosoftの業務提携の内容についても触れた。両社は9月に、Moonlightの開発で協力する計画を発表した。
デ・イカーサ氏によると、Microsoftとの契約に基づくNovellの役割は、Silverlightと100%互換のLinux版をMoonlight技術として提供することだという。Moonlightでは主要なLinuxディストリビューションがサポートされる。Novellはこの契約で3つの主要Linuxディストリビューションをサポートすることに合意したが、デ・イカーサ氏によると、同社はそれだけにとどまらず、すべての主要Linuxディストリビューション、ならびにSun MicrosystemsのSolaris OSもサポートするつもりだとしている。
またMicrosoftは、MoonlightをLinux上で動作させるのに必要なすべてのメディアコーデックのほか、リグレッションテストスイートおよび完全な仕様を提供することにも合意した。
「その費用を誰かが支払う必要があるのだが、Microsoftはコーデックを再配布するためのライセンス費用をすべて支払うことに合意した」とデ・イカーサ氏は話す。これには、3つの主要Linuxディストリビューション以外のOS上で動作させるのに必要なコーデックをライセンスする費用も含まれる。さらに、MoonlightではAppleの技術もサポートする予定だという。
デ・イカーサ氏によると、「Silverlight 1.0」をベースとする「Moonlight 1.0」は6カ月以内に出荷される見込みだという。Silverlight 1.0の機能を踏襲し、Monoのサポートは含まれない。Monoは.NET Frameworkのオープンソースインプリメンテーションで、Novellが開発スポンサーとなっている。
Microsoftは最近、「Silverlight 1.1」の名称を「Silverlight 2.0」に変更した。これに従い、NovellもMoonlightのバージョン名を変更した。Silverlight 2.0は.NETをベースとするため、「Moonlight 2.0」はMonoをサポートすることになる。
デ・イカーサ氏は、Silverlight 2.0はMicrosoftの「Mix '08」カンファレンスが開催される2008年3月ごろに出荷されると予想しているという。Moonlight 2.0は、Silverlight 2.0のリリースから6〜12カ月後に出荷する予定だとしている。
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