インテル代表取締役が2007年を振り返る

「環境に優しいプロセッサを」――インテルの吉田代表取締役共同社長は、2007年を総括し今後の展望を語った。

» 2007年12月11日 09時31分 公開
[伏見学,ITmedia]

 インテルは12月10日、定例会見を開き、代表取締役共同社長の吉田和正氏が2007年を総括し、2008年の展望を語った。

 2007年最大のトピックとして、吉田氏は45ナノメートル(nm)のHigh-kプロセステクノロジーを挙げた。High-kとは、高誘電率素材を使ったトランジスタのゲート絶縁膜で、コードネーム「Penryn」と呼ばれるプロセッサに採用されている。前世代の65nmプロセッサと比べて、トランジスタの集積度が約2倍となり、スイッチング速度は20%以上向上した。スイッチング電力を約30%削減したほか、リーク電流は10分の1以下に抑えた。

 この技術によって、高い性能と優れた電力効率を実現する「エコプロセッサの製造が可能」と同氏は強調した。今後出荷するプロセッサについては鉛フリーやハロゲンフリーを実現して、環境を考慮した製品作りに取り組む方針だ。

2007年を総括する吉田和正代表取締役共同社長 2007年を総括する吉田和正代表取締役共同社長

 2008年の展望として、「モバイル」「ヘルスケア」を挙げた。

 今後はモバイルコンピューティングの重要性が増し、次々に新しい技術が登場するという。同社は、45nm High-Kプロセッサ搭載のノートPC「Santa Rosa Refresh」や、新型チップ「Menlow」を実装したウルトラモバイルを発売するほか、WiMAXやWiFiに対応した製品の開発にも注力する。

 ヘルスケアは、数年前から力を入れている分野。高齢化社会の到来と慢性疾患の増加に伴い、今後は自分自身で健康を管理する必要性が高まるという。同社は、ネットワーク機器を使った個人健康管理の向上を目指す非営利団体「コンティニュア・ヘルス・アライアンス」などに参加し、医療機器にIT技術を取り込んだ健康管理システムを構築する。

 「2008年は市場ニーズとユーザビリティを追求することによって、今年以上に革新的な1年にしたい」(吉田氏)。

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