Prismの開発陣はMozilla Labsのフォーラムにて、コメント、質問、フィードバックを受け付けている。それを見ると、ユーザー側の関心はPrismの現行機能を各種の方向に発展させることにあるようだ。
また一部のユーザーからは、PrismのWebアプリケーションではFlashなどのFirefoxプラグインを検出できないとのリポートが出されているが、これはFlashプラグインをインストールした位置関係によって異なるようだ。Prismのインストール先がhomeディレクトリの場合、同ディレクトリ中の.mozillaディレクトリ下にインストールされたプラグインは認識できるが、システム全体で使用する/usr/lib下のプラグインは検出できない。
Prism自身は機能拡張をサポートしているものの、現状でそのインストール、ロード、アンロード用のインタフェースは用意されていない。開発者の1人であるマーク・フィンクル氏は、機能拡張を手作業でインストールして実行させるための方法をブログで説明しているが、この件に関連する注意事項として、Prismは本質的に不要なコンポーネントをそぎ落としてスリム化したブラウザであるため、Firefox機能拡張の多くは動作しないであろう可能性を指摘している。
より実用的な問題として、現状のPrismはWebプロキシ経由のアクセスをサポートしておらず、これはイントラネット内部で利用する場合の障害となるかもしれない。
なお非公式なものであるが同プロジェクトの掲げる今後のロードマップとしては、ドラッグ&ドロップやオフラインモードの実装およびデスクトップイベントの通知機能への対応といった、デスクトップシステムとの統合促進などが挙げられている。
先のフォーラムに上げられたコメントの中には、最小限の機能を備えたプレファレンス設定用インタフェースの実装という提案もあったが、これは開発者サイドもその有用性を認めている。サイト固有ブラウザという性質上、Firefoxにあるプレファレンスの多くは意味をなさないだろうが、フォント、クッキー、個人データの管理などの必要性はあるはずである。
既にWebrunnerを使用してきたユーザーであれば、ランチャーの作成機能が使えるだけでもPrismに乗り換える価値はあるといえるだろう。あるいはこのシンプルかつ有用なツールを使ったことのないというユーザーであれば、これを機会に一度試してみることをお勧めしたい。
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