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» 2007年12月14日 17時37分 公開

システムインテグレーター再編へ:TISとインテックの経営統合は成功するか――ITR内山氏に聞く

TISとインテックホールディングスの経営統合は成功するのか。大規模組織ゆえの懸念もある。IT専門の調査会社ITRの内山悟志代表に聞いた。

[怒賀新也,ITmedia]

 情報システム開発のTISとインテックホールディングスが2008年4月に経営統合すると発表した。従業員数は1万5000人、売上高は3200億円を超えてNTTデータに続いて2位となり、大規模なシステムインテグレーターが誕生する。両社の経営統合は成功するか。IT専門の調査会社ITRの内山悟志代表に聞いた。

 内山氏は両社の経営統合について「それぞれの持つ顧客に対してクロスする形でソリューション提供するのが目的だろう」と分析する。

ITRの内山悟志代表

 TISはクレジットカード、製造、化学業界を得意とし、インテックホールディングスは銀行、保険業界で強みを持つというように、両社のターゲット顧客は異なる。経営統合することで、TISが保険業界の顧客のシステムを開発したり、逆に、インテックが製造業の顧客に営業を掛けることができるようになる。

大きな組織ゆえの落とし穴も

 内山氏は組織を大規模化することに懸念もあると話す。大規模システムインテグレーターでは、仮に100プロジェクトのうち97が成功していたとしても「残りの3つのプロジェクトの失敗で利益が吹き飛ぶことがある」という。

 「売り上げが100億円くらいの小振りなシステムインテグレーターの方が利益率が高い傾向もある」(内山氏)

 営業組織の統合が効率的に進まない場合などには、「同じ顧客先に元TISと元インテックの社員が別々に訪れるなどの課題が発生する可能性もある」という。「アカウントマネジャーの組織再編に注力するべきだ」と内山氏は話す。

企業文化の統合が鍵

 しかし、内山氏は、10月1日にラックとエー・アンド・アイシステム(A&I)が経営統合した例などを挙げながら「システムインテグレーター同士が合併する際の課題はカルチャーの違い」と指摘する。

 情報システムを構築する際の方法論、教育、経営スピードの違いにより、統合がうまくいかないケースがあるという。人材への評価や給与、品質管理の方法の違いも影響を与えるため、企業文化のすり合わせはじっくりとやるべきとしている。

 TISとインテックについて同氏は、「企業文化の違いを乗り越えるために2年程度かかるかもしれない」と加えた。だが、独立系という点で企業風土が似ており、業務内容にも親和性があるため「3年後には統合は成功するだろう」とみている。

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