GWTツールキットを利用するには、事前にJava Development Kit(JDK)をインストールしておかなくてはならない。また基本的に現行のGWTは、Google系開発者の利用しているEclipseでの作業を想定しているので、必要であればこれもダウンロードしておくべきである(GWTはNetBeansを始めそのほかのプログラミング環境で使用できる)。以上の準備が整ったら、GWTのダウンロードサイトから最新パッケージ(サイズは約25Mバイト)を入手して、「tar jxf ../gwt-linux-1.4.61.tar.bz2」により展開する。インストールに関する操作はこれだけであり、すべてが正常に処理されていれば任意のディレクトリにてGWTが使えるようになっているはずだ。
これからはじめて新規プロジェクトを作成する際には、GWTのインストラクションに従えばいい。Eclipseを使う場合、この手順は次のようなステップで進行する。
以上の設定が済むとHTMLおよびJava双方のコード編集が行えるようになるので、後は新規クラスの追加およびプログラムの試験をHostedモードにて実施していけばいい。そして満足行くでき映えのプログラムが完成したら、それをコンパイルして(そのためのスクリプトはオリジナルのプロジェクト作成時に生成される)、各自のWebサーバにアップロードするだけである。
GWTの登場は、Web開発における1つのエポックメイキングと見ていいだろう。これは単にJavaプログラマーの慣れ親しんだツールによるWebアプリケーション作成を可能としているだけでなく、従来のものより優れた開発作業環境を提供し、高度なインタラクティブ性を備えたモダンなWebサイト構築を簡単化しているからである。
GWT関連のより詳しい参考書としては、『Google Web Toolkit for Ajax』、『Google Web Toolkit: Taking the Pain out of Ajax』、『GWT in Action: Easy Ajax with the Google Web Toolkit』、『Google Web Toolkit: GWT Java Ajax Programming』といったものが出されている。
個別的な疑問があれば、Google Web Toolkit Discussion Groupという1万1000人以上のメンバーが参加する活発なフォーラムも運営されているので、ここに質問すればいいだろう。またGWT本体の開発状況に関するニュースはGoogle Web Toolkit Blogに掲載されているが、このブログの更新頻度はそれほど高くない。そのほかThe Unofficial Google Wikiからは、利用可能なパーツ類を始めとするGWT関連のリソースが各種提供されている。あるいは実際に使用可能なGWTのサンプルが欲しければ、Google本家のサンプルプロジェクトだけでなく先のThe Unofficial Google Wikiからも各種のサンプルを入手できるし、Roughian.comでは具体的なコードが公開されている。
Federico Kerekiはウルグアイ出身のシステムエンジニアで、20年以上に渡るシステム開発、コンサルティング、大学講師の経験を有している。
Copyright © 2010 OSDN Corporation, All Rights Reserved.