ソニーや富士通などの日本メーカー、世界で戦うため部品情報の共有体制を構築

ロゼッタネットジャパンは記者向けのブリーフィングを開催し、ハイテクメーカーとサプライヤーが部品情報の交換をより効率的にできるデータベースを構築することを明らかにした。

» 2008年01月25日 07時00分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 ハイテク業界のサプライチェーン構築について、部品データの標準化などを推進するRosettaNetの日本での組織、ロゼッタネットジャパンは1月24日、都内で記者向けのブリーフィングを開催した。

 ソニーや富士通などのハイテクメーカーと、メーカーに部品を供給するサプライヤーが部品情報の交換をより効率的にできるデータベースを構築する。データベース構築のため、メーカーおよびサプライヤー25社からなるワーキンググループを設立した。

 構築するデータベースは「部品技術情報流通基盤(R&R)」。メーカーとサプライヤーの双方から、部品の仕様を定義する「スペックデータ」、図面で形状を表示する「形状データ」、含有化学物質の情報などを示す「環境情報」、プリント基板など動作確認を必要とする部品についての「シミュレーションデータ」などを共有する。最初は、コンデンサ、トランジスタ、ダイオードなど5種類の部品を対象にしたスペックデータの共有を開始する。

部品技術情報流通基盤 概要図

 メーカーおよびサプライヤーがデータベースに情報を入力、出力する際、マイクロソフトのOffice製品からXMLベースでやり取りする「Ecma Office Open XML」などのフォーマットを利用できるようにする。Ecma Office Open XMLのほか、RosettaNetが標準的に用いるRNIF、CSV、ECALGA、HTTP/Sなども利用できる。

NTTコミュニケーションズの瀬口氏

 メーカーとサプライヤー間のデータのやり取りをスムーズにすることで、部品情報の交換の無駄を省き、コスト削減などの利点を追求する考えだ。ワーキンググループ主査でNTTコミュニケーションズの瀬口竜史氏は「ものづくりに関わるコストの30%削減を目指す」と意気込んだ。

 メーカーの取引先となるサプライヤーは世界で数千社に上るといわれる中、部品データの情報はいまだに紙などで交換されていることも多い。その状況を改善するために、部品をはじめとした各種データを標準化し、共有できるようにするのがロゼッタネットの役割だ。

 ワーキンググループに参加したのは、アドス、E2open、NECエレクトロニクス、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ、エリスネット、大塚商会、沖電気工業、スミトロニクス、ソニー、太陽誘電、つうけんアドバンスシステムズ、東芝、東芝ドキュメンツ、NEC、富士通、マイクロソフト、松下電器産業、三菱電機、ルネサス テクノロジ、ロームなどの25社。

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