不審な印刷に「110番」――富士通が情報漏えい対策ソリューションを強化

富士通は、個人情報など機密性の高いデータの印刷状況を管理者に通知する情報漏えい対策ソリューションを発表した。

» 2008年01月25日 17時15分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 富士通は1月25日、企業向けセキュリティ対策サービスに関する記者説明会を開き、機密性の高い情報を含んだデータの印刷状況を管理者に通知する情報漏えい対策ソリューションを発表した。

 同ソリューションは、個人情報を含んだデータを社員などが印刷をすると管理者に通知をする。印刷を行った人物や日時、印刷内容、印刷イメージをログとして収集・管理でき、「証跡管理」として印刷物に対する情報漏えい対策に役立てられるという。

ソリューションの内容

 ミドルウェア事業統括部の門口英夫プロジェクト部長は、「急ぎの会議などで出力した印刷物に対するセキュリティを強化できる」と説明。印刷物に対する情報漏えい対策では、社員に応じたアクセス権限の付与や暗号化によって印刷を抑止するソリューションが中心だが、「管理が厳しく実業務に耐えないという場合も多い。印刷されるすべてのデータの中で機密性の高い情報をしっかりと管理できることを目指した」(門口氏)という。

門口氏

 ソリューションを構成するソフトウェア製品は、印刷管理の「Interstage Print Manager Standard Edition V9.0」、ログ収集の「Systemwalker Desktop Keeper Standard Edition V13.2」と同製品のクライアントライセンス、個人情報の識別機能を持つプリンタサーバ「SecretBarrier Enterprise V1.0L30」。新規導入する場合の価格は、ハードウェア(サーバ2台構成の場合)を含めて約200万円程度になる。

違反が疑われる印刷が行われたと電子メールで通知

 運用時には、「氏名情報20件かつ住所情報20件の印刷を通知」というようにポリシーを設定することで、管理者が指定したメールアドレスやシステム管理ツールなどに印刷状況を通知する。個人情報の判定精度は形態素解析やNamed Entity解析と呼ばれる言語解析技術を複数組み合わせて行い、誤検知率は2%ほど。新聞紙1ページを約0.5秒で判定できる性能だとしている。

 データマネジメント・ミドルウェア事業部の今村浩一事業部長は、「印刷物の効率的なセキュリティ管理が注目されており、同ソリューションで『Interstage』(富士通の企業向けミドルウェア製品群)事業の業績を10%引き上げたい」と話した。

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