JAXAが富士通製のスーパーコンピュータシステムを採用した。理論ピーク性能は135TFLOPS。現行システムの約15倍にもなる。
富士通は2月19日、テクニカルコンピューティングサーバ「FX1」を中核とする新たなスーパーコンピュータシステムを宇宙航空研究開発機構(JAXA)から受注したと発表した。4月に現行システムからの移行を開始し、2009年4月から稼働する予定。
JAXAは現在、富士通製スパコン「PRIMEPOWER HPC2500」からなる計算機システム「数値シミュレータIII」を採用している。新システムは、3392ノードのFX1から構成され、理論ピーク性能は現行システムの約15倍となる135T(テラ)FLOPSを達成する。メモリ容量は約30倍の100Tバイト、ストレージ容量は約16倍の11P(ペタ)バイトとなる。
FX1は、自社開発のクアッドコアCPU「SPARC64 VII」およびチップセットを搭載し、効率的な計算環境を実現する。浮動小数点演算速度は1ノード当たり40GFLOPSで、メモリ容量は最大32Gバイトになる。
JAXAは、次期基幹ロケット、宇宙輸送システム、国産航空機などの開発における計算処理の大型化や多様化への対応としてスパコンの刷新を決定した。
国内のスパコンでは、東京大学情報基盤センターの採用するシステム(2008年6月に稼働予定)が最も速く、約140TFLOPSの理論ピーク性能を実現する。「新システムは、現状で2番目の速さ」(富士通広報)としている。
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