Dell減益の背景にはビジネスモデルの変更が(1/2 ページ)

前四半期の決算で減益となったDellがHewlett-Packardなどのライバルに追いつくためは、売り上げを増やす一方でコストを削減する必要があるようだ。

» 2008年03月03日 15時15分 公開
[Scott Ferguson,eWEEK]
eWEEK

 マイケル・デル氏と同氏の経営する会社は、数多くの難しい決断に迫られている。

 Dellが2月28日に発表した第4会計四半期の決算は、期待を裏切る内容だった。ウォール街の期待を背に受けて経営の立て直しを図るデルCEOは、今後も数々の課題に直面することになりそうだ。

 2月1日を期末とする第4会計四半期のDellの純利益は6億7900万ドル(1株当たり33セント)で、前年同期の純利益7億2600万ドルから6.5%の減益となった。同四半期のDellの売り上げは、前年同期の145億ドルから160億ドルに増加した。

 米国経済の減速の兆候が続く中、Dellは業績改善を目指した取り組みを進めている。2月28日の発表によると、Dellの海外での販売は16%増加し、売り上げ全体の49%を占めているものの、米国市場は依然として同社にとって極めて重要な市場である。

 デル氏は1年余り前にCEOに復帰して以来、企業向けサービスや高度な技術(iSCSIストレージ製品など)を提供するといった形で事業戦略の再構築を進める一方で、小売業者との提携を通じてコンシューマー向けの販売を拡大するなどPC事業の強化を進めてきた。

 Dellは売り上げ拡大を目指すと同時に、PCおよびサーバ市場におけるHewlett-Packard(HP)などのライバルとの対抗に向けて経営のスリム化を図るべく、コスト削減および人員削減も実施した。Dellのドナルド・カーティーCFO(最高財務責任者)によると、同社では約8800人の人員削減が必要だという。

 NPD Groupのアナリスト、スティーブン・ベイカー氏は、「Dellがコスト構造の改善の必要性を感じているのは明らかだ。彼らはチャネルを通じた拡販も目指しているが、これは利益率をやや圧迫する可能性もある。このため彼らは、チャネル分野で長期的なコスト削減に向けて費用効果を高める取り組みを進めている」と話す。

 Dellは現在、事業戦略の改革に苦労しているが、これはHPがCompaqを買収した後で経験した困難と似ている部分もある。HPでは経営を改善するために、事業運営の合理化、人員削減、新しいサービスと技術の提供といった取り組みを進める必要があった。

 HPはやっと今、こういった改革の成果を手にしているのだ。

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