MSバルマー氏、Dynamicsアプリケーションへのコミットを再確認(1/2 ページ)

米Microsoftのスティーブ・バルマーCEOは、同社がDynamicsエンタープライズアプリケーションスイートの長期的な開発に固くコミットする方針である、とユーザーに訴えた。

» 2008年03月14日 16時55分 公開
[Boucher Ferguson,eWEEK]
eWEEK

 米Microsoft、Dynamicsアプリケーション部門の責任者はこれまで目まぐるしく入れ替わってきたが、同社はDynamicsブランドにしっかりとコミットしているという。

 Microsoftのスティーブ・バルマーCEOは、フロリダ州オーランドで開催された今年の「Convergence」カンファレンスに参加した9500人のDynamicsパートナー、顧客および潜在顧客にこのようなメッセージを伝えた。

 “Dynamicsは、Microsoftの4つのERP(Enterprise Resource Planning)スイート、そして(まるで配信メカニズムのように)次々と新リリースが提供される同社のCRMスイートの総称となるブランドである”

 Dynamics部門の責任者は、これまでに次々と入れ替わってきた。今年の1月には、Dynamicsを積極的に推進してきたジェフ・レイクス氏が、OfficeとDynamicsを統括するビジネスソリューション部門の社長を辞職した。後任としてスティーブン・エロップ氏が社長に就任し、キリル・タタリノフ氏がDynamics部門の責任者になった。

 タタリノフ氏は、レイクス氏が辞職するまで半年間にわたってDynamicsグループを率いてきた。

 Dynamics部門ではこの2年の間に、ダグ・バーガム氏、サトヤ・ナデラ氏、タミ・レラー氏(同部門の暫定責任者)が相次いで責任者の職を辞し、ブログの世界でDynamicsは「孤児」と揶揄されるようになった。

 責任者が次々と入れ替わっただけでなく、昨年にはMicrosoftは「Project Green」のコードネームで呼ばれる戦略を180度転換した。この戦略は4つの異なるERPスイートのコードベースの統合を目指したものだった。

 Microsoftによると、この戦略に代えて、自社の技術スタック(SQL Sever、Visual Studio、BizTalk Server、Workflow Foundationなど)で構成される共通のプラットフォームを通じてこれらのスイートを「融合」する予定だとしている。これは悪いアイデアではないが、一貫性のある戦略的メッセージとは言い難い。

 バルマー氏によると、この数年間におけるDynamics戦略の大きな変化はMicrosoftにとっては些細なことだという。

 「Yahoo!との取引が成立するまでは、わたしがCEOとして行った最大の決定は、ビジネスアプリケーション分野への進出だ」とバルマー氏は3月12日のキーノートスピーチで語った。「これはわたしがこれまでに行った中で最善かつ最も重要な決定の1つであり、われわれが今日、ここに集まっている理由もそこにある。わたしはビジネスアプリケーションの分野でわれわれが取り組んできたこと、これからできること、そしてわれわれのコミットメントに本当にわくわくしている。この決定は、今日わたしが最も強調したいものである」。

 バルマー氏は、Microsoft創業者のビル・ゲイツ氏が同社の草創期に規定した「あらゆる家のあらゆるデスクにコンピュータを」という同社のミッションの歴史について語った。このメッセージは時とともに進化し、人々と企業がその可能性を最大限に発揮できるようにするという目的も含まれるようになったという。バルマー氏によると、この綱領の要となるのがDynamicsである。

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