MSバルマー氏、Dynamicsアプリケーションへのコミットを再確認(2/2 ページ)

» 2008年03月14日 16時55分 公開
[Boucher Ferguson,eWEEK]
eWEEK
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 「この進化の背景にはコンピュータがあらゆる家庭に浸透したこともあるが、People Readyビジネスにも関連している」とバルマー氏は語る。「われわれは、今日ここに集まり、ビジネスプロセスについて、そしてITをビジネスにどう役立てるかについて語ろうとしている。早い話、仕事の効率を高めること、そして人々がこれまでよりも仕事をやりやすいようにすることが目的なのだ。サプライチェーンや業務プロセスをいかに改善するのかということだ。そのためにわれわれが今日ここに集まっているのだ」。

 バルマー氏は、Microsoftは幅広い製品ラインを扱うグローバル企業として、ビジネスの世界で現在起きていること――グローバリゼーション、サプライチェーンの複雑化、M&Aの活発化、コンプライアンス義務の範囲拡大などに強い関心を抱いていると指摘した。同氏によると、企業がこういった試練に対処する最善の方法は、多数のデリバリーチャネルを通じて人々が効率的に仕事をすることを可能にするソフトウェアを利用することだという。そしてこれは、Microsoftの言葉ではソフトウェア+サービスを意味するのである。

 Microsoftの見解によると、従業員の効率改善のためのもう1つの手段は、アプリケーションレベルでのロールベースのユーザーインタフェースを提供することである。さらに1つの手段が、DynamicsアプリケーションをMicrosoftのほかの製品スタックと連携することにより、コラボレーションと情報共有を可能にするとともに、Office、Word、Excelといったユーザーが慣れ親しんだ環境を活用することだという。さらにバルマー氏は、ビジネスアプリケーションをパーソナルコンピューティングに結び付けるブリッジを提供するビジョンについて説明した。

 「個別業務と連携した形で人々がコラボレートできるようにするにはどうすればいいのか。システムからインボイスを取り出し、それを電子メールで配布したり、注釈を付けたり、共同で修正したりした上で、再びシステムに戻せるようにするにはどうすればいいのか――こういったことはすべて、プロダクティビティソフトウェアと業務アプリケーションプラットフォームとの間の空間に存在する」とバルマー氏は言う。「ビジネスの観点から、言い換えればOfficeとSharePointを通じてこの空間に価値を付加することが、われわれができる最大の貢献であると考えている」。

 しかしアナリストらは、MicrosoftがDynamicsアプリケーションシリーズを同社のほかの技術スタックに連携することによって大きな可能性を引き出すためには、Dynamics事業に一貫性を持たせる必要があると指摘する。

 「Dynamics部門の責任者の目まぐるしい交替は、事業を維持するのに必要な継続性に対する姿勢に疑念を呼び起こした」と指摘するのは、Enterprise Applications Consultingのジョシュア・グリーンバウム社長だ。

 「MicrosoftはDynamicsの将来が有望であることを示すのに躍起になっているが、すんなりと受け入れることはできない。どんな企業でも、CEOが半年ごとに入れ替わっていたら事業運営が成り立たない」(同氏)

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